賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第268話『泡沫』感想 ~ギャン中の性~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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前回、激戦の一夜を終えたカイジは、坂崎家へ帰還。
 
坂崎との邂逅に戸惑いながらも勝利を報告しますが、縁を切るつもりでいた坂崎はなかなか信じないのでした。

 

仮に事実だとしても、坂崎はカイジの勝利を望んでいたわけでもありません。

会長も予言した通り、カイジの人生はギャンブルの快感を求め続け、ギャンブルに取り憑かれたものとなりました。
 
つまり勝利・・・その結果の大金は、あくまで一時的なもの。
続けて行けば、いずれは儚く消える運命にあります。

 

その泡銭を恩着せがましく持ってくるなど、何か裏があると思うのも仕方ないところ。

見え見えだ!
 
そもそも渡した300万円は捨て金。
返済などハナから当てにしていなかった以上、それで取引しようなど言語道断。
手切れ金とはそういうものですから、出入り禁止を解くわけにはいきません。
 
まぁ当然カイジにそんな気はないわけですが・・・今の坂崎はやや被害妄想的に、居候の要求に繋げてしまうようですね。

 

 

ただ・・・渡された300万円が放棄された金だとすると、その結果膨れ上がった金もカイジの自由。

つまり完全なカイジの所有物であるなら、坂崎が外ウマに乗っていた状態と考えるのもカイジの自由。

 

カイジは独り言のように呟くと、自分にはビッグマネーを渡す権利があり、坂崎にも受けとる権利があるとしました

 

んん・・・?意味がよく分からないのは何故だ。

こうして文章に起こしても上手くまとめられない(・・;)

 

 

ただ・・・それもそのはず、カイジが目をギラつかせながら独自の理論を展開させる様は、どこか異様でした。

 

坂崎としてはただ後腐れなく縁を切りたいだけ。

義理立ての金や感謝など要らないのですが、今のカイジにはその意図が通用しません。

典型的ギャン中
(ギャンブル中毒)!
廃人一歩手前や!
 

 

この目は何度か・・見覚えがあるな。

ワン・ポーカー編の104話、開戦直前。

 

そして147話、全ての理論と流れが和也のA出しを示している状況で、偶然にも2を引き入れた時でもありました。

全て、冷静に見れば明らかに異常な行動。
 
しかし偶然でも条件が整ったなら、金を賭けるにしろ、返すにしろ、その流れに沿うしかない。自分中心の危険な押し付けだとしても、それが宿命だといつの間にか信じ込んでいる状態。
 
恐らくはカイジ自身も無意識なはず。だからこそ、傍目には恐怖を抱かせます。
 
そんな異常者に付きまとわれては大迷惑だから金で追い払ったのにね・・・。もはや何を言っても無駄なのか。
 
坂崎は呆れるとともに青ざめますが・・・

 

 

カイジは勝利こそが坂崎の待ち望んでいたこと、つまり英雄となって帰還したと信じ込んでいるのか。

 

意気揚々と・・・大勝を宣言!

 

オレに託してくれた300万

あれが・・・なんと

昨夜の勝負で・・・800倍!

何で煌めいてんのw

 

この期に及んで「オレに託してくれた」と話している時点でだいぶヤバいですが、24億獲りはカイジの成しえた最強の事実。

誇るのは当然ですね。

 

さすがの坂崎もこのパワーワードには驚きを隠せません。

が・・・あまりに現実離れした金額。

散々ジャンキーぶりを見せつけられた後ですし、そりゃあ信じないよね。
 
変にもったいぶってヒロイックな事を語り始めるから坂崎が訝しむわけで、カイジは黙って金だけ渡して、一礼して立ち去ればよかった。

 

前提として干渉されたくない事は明白なのですから、拒まれても多くを語らず引き揚げることが、今回の場合の筋の通し方じゃないかな。
 
確かに大勝を収めましたが、それと引き換えに常人の思考から外れて堕ちてしまった・・・まさに堕天録か。
カイジの陥っている哀しい現実・・・それを再認識する回でした。

 

 

ただ・・・カイジは再び居候する気はありませんから、その誤解は解いた上で、両者にとって後腐れない別離を望みます。

 

このまま坂崎に侮蔑されたまま別れるのは辛いですし、カイジがジャンキーに墜ちた事を認めたからこそ、坂崎には最後の情けで金を受け取ってほしいな。

・・・なかなか辛いね・・・。

 
次回は休載。
今回が合併号なので、次は1/13・・・しばらく間が空きますね。

 

 

・週刊ヤングマガジン№4・5合併号(2018/01/13・15号)より

 

※ワン・ポーカー編最終巻は1/5、

 

 

24億脱出編1巻は2/6発売です。