賭博堕天録カイジ ワンポーカー編・第217話『禁忌』感想 ~乱戦の幕開け~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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本日の箴言!

この発言から早3年か・・・。

思えば、カイジがこの勝負に挑むことを決めたのも、この機会をチャンス・僥倖と捉えたのも、全ては和也がイカサマなどしないと信用していたからでした。

良い意味でも悪い意味でも、3年前には今の状況は想定していなかったな・・・。


○=提出カード
カイジ/和也 LIFE(2・10) 1ライフ=2億円
1回戦
D・D U・U
2○・4 A○・A 1勝/0勝 LIFE(3・9)
Bet1→コール
2回戦
D・D U・D
2・4○ A・3○ 2勝/0勝 LIFE(4・8)
Bet1→コール
3回戦
U・D U・D
Q・2○ A○・6 3勝/0勝 LIFE(5・7)
Bet1→コール
4回戦
U・D U・D
Q・6○ 9○・6 4勝/0勝 LIFE(6・6)
Bet1→カイジBet2→和也ドロップ
5回戦
U・U D・D
K・Q○ 6○・3 5勝/0勝 LIFE(7・5)
Bet1→カイジBet2→和也ドロップ
6回戦
U・D D・D
K・6○ 3○・3 5勝/1勝 LIFE(5・7)
Bet1→カイジBet2→和也Bet3→カイジドロップ
7回戦
U・D U・D
K○・7 9・3○ 6勝/1勝 LIFE(6・6)
Bet1→コール
8回戦
D・D U・D
7○・5 9・3○ 6勝/2勝 LIFE(5・7)
Bet1→和也Bet2→カイジドロップ
9回戦
D・D U・U
5・4○ J・9○ 6勝/3勝 LIFE(4・8)
Bet1→コール
10回戦
D・D U・U
7・5○ Q・J○ 6勝/4勝 LIFE(3・9)
Bet1→コール
11回戦
U・D U・U
K・7○ Q○・A 6勝/5勝 LIFE(2・10)
Bet1→コール
12回戦
U・U U・U
KK○ A○・A 6勝/6勝 LIFE(0・12)
Bet1→カイジコール→和也Bet2→カイジコール
~~~赤ライフ登場・生死を賭けた闘いへ~~~
13回戦 LIFE(1・12)
U・D U・D
K○2 A○・6 6勝/7勝 LIFE(0・12+1
Bet1(カイジ)→自動的にコール
~~~チャンマリの赤ライフ2つを追加~~~
14回戦 LIFE(212+1
U・D D・D
82○ 7・6○ 7勝/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→カイジBet2→和也ドロップ
15回戦
U・D U・D
87○ J7○ 7勝/1分/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→コール
16回戦
U・U U・D
J○・8 J○・4 7勝/2分/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→コール
17回戦
U・U D・D
Q・8○ 5・4○ 8勝/2分/7勝 LIFE(1+3・11)
Bet1()→コール
18回戦
U・U D・D
Q○・9or8 5・3○ 9勝/2分/7勝 LIFE(2+3・10)
Bet1→コール
19回戦
U・U U・D
9○・9or8 Q・5○ 10勝/2分/7勝 LIFE(3+3・9)
Bet1→コール
20回戦
U・U U・U
9・8○ Q○・9 11勝/2分/7勝 LIFE(5+3・7)
Bet1→カイジBet2→和也コール→カイジBet4(3+1)→和也ドロップ

21回戦

U・U U・U
K○・9 Q○・9 12勝/2分/7勝 LIFE(6+3・6)

Bet1→カイジBet2→和也ドロップ

22回戦

U・U U・U
J○・9 A?・9○ 13勝/2分/7勝 LIFE(7+3・5)

Bet1→カイジBet2→和也ドロップ

~~~チャンマリ後退~~~

23回戦

U・D U・D
9○・3 A○・? 13勝/2分/8勝 LIFE(5+3・7)

Bet1→カイジコール→和也Bet2→カイジコール→和也Bet3→カイジドロップ

~~~チャンマリ再び傍へ~~~

~~~隠しBOX出現~~~

24回戦

U・D U・D
8・3 ?・?

(A×3) (A×2?)

Bet1→


前回、発見した穴に爪楊枝を差し込んだカイジは、突然の隠しボックス出現からAを3枚入手。しかし、それによって和也が23回戦で使用したAも、同じイカサマによるものである可能性がほぼ確実となりました。


やや離れた位置から一部始終をチャンと共に見ていたマリオは怒り、23回戦を無効にするよう和也に詰め寄ろうとします。

しかし、チャンはそれを制止。和也はイカサマの構造を熟知しているため、恐らくボックスは既に収納済みであり、証拠は出てこないだろうと諭しました。


開けるも閉めるも↓

最初にカイジに席を選ばせた以上、このイカサマの仕掛けは平等。つまり、23回戦で和也がAをねじ込んできたとするなら、現時点で和也の隠しボックスにはAが2枚しかありません。

一方、今見つけたばかりのカイジにはAが3枚。この1枚の差は大きいですよね。


さらに、和也はカイジがイカサマに気付き、今Aを発見していることを知らないかもしれません。とすれば、その錯誤はAの残り枚数以上にカイジにとって強みとして働くはず。

つまり、この24回戦はカイジが有利であるとチャンは確信しているようです。


チャンマリが状況を整理している間も、和也は変わらずにうつむいたまま。視線を上げようとしません。

カイジは湧き上がる憤りを抑えながらも、心中で和也を軽蔑します。


顔を上げろよ 和也・・・↓

そうそう・・・そこだよね。ズバッと私の気持ちを代弁してくれました。

幾らカイジを試すための意味合いが含まれていたとしても、この仕掛けは理不尽以外の何物でもないのは事実。特にカイジは救出での光山に対するベルト固定を知りませんから、ここで毒づくのは仕方ないですね。


カイジがこれまでに聞かされた数々の所業・・・欠損事故ルーレットや愛よりも剣、その他諸々の和也プロデュースにとって、唯一の正当性はガチであること。真剣勝負の結果という点だったはず。

しかし、それを手放してしまえば、残るのは残忍な殺戮者という悪魔の心だけ。カイジは和也を心底見損なったようで、このイカサマをしたことにより、結果的に唯一残っていた人間の心を失ったのだと哀れみました。


おまえはこれから↓

カイジは和也の価値観は嫌っていても、根にある人間性はある程度評価していたように思います。だからこそ、不正の判明は裏切られたというショックがあったのでしょうね。哀れみが更なる憎悪の増幅に繋がっている以上は、カイジが和也を見放した現れ。

和也はもはや単なる敵、それだけの存在ですから・・・カイジのギアも上がるでしょうね。


そんな侮蔑の視線が送られていることも知らず、不敵な笑みを浮かべ続ける和也。しかし、その笑みには理由がありました・・・!

気付いてるのかよ・・・!(;´Д`)ノ

前回のランプは、やはりボックス発見のサインだったのですね・・・。知らなければこんな微妙な光には気付きませんから、これもフェアな仕掛けとは言えないな。

これでチャンの話していた、カイジがイカサマに気付いていないという和也の錯誤による有利は消えてしまいました。

しかし、仮に相手がAを持っていない状況でのA発見は明確に有利ですが、相手の和也もAを持っている今の状況なら、ただ五分五分になっただけ。Aの残り枚数が違うとしても、和也のAが0枚になる未来を見据えるには早すぎます。それまでに大敗して差を付けられては意味がありませんし。


ですから、むしろ気付かれている方が騙しやすい気がする。少なくとも、目の前の一戦について勝利することを考えるなら、両者の認識に差がある方が裏を取りやすいですね。

和也にはカイジのイカサマに気付いている、有利という認識があります。その認識に盲信的となってくれれば、カイジに目が出てくる。

つまりカイジのAの提出を確信して2で裏を取ろうとする・・・という展開があれば、「Aを持っていることも、出すことも知らないのに2で裏を取れるわけがないだろう」とカイジが考えるだろう、という確信に疑いを持たなくなります。

そこを8か3で殺せばカイジの勝ち。あくまで和也が有利に毒されて思考停止した場合の話ですが、長いスパンではなく目前の一戦・二戦の必勝を期すなら、和也が自力でイカサマを察したのはむしろカイジにとっても好都合ですね。

限定ジャンケンにてバランス理論の男を破った「理ある故に無防備」という逆転の策が当てはまる場面かな。


ただ・・・少しガッカリしたのは、和也が「何か先の尖ったモノを持ってんだろ」と話している事。つまり、レストランで爪楊枝を渡した行為は作為的ではなかったということになります。しかも渡した事自体を忘れている。カイジを試すためではなかったのか。

わざとボックスを開けさせ、そしてAを出させるための布石としての行為だと思っていたので、一気に一連の展開がご都合なものに見えてきてしまった。故意で渡したという展開では何か今後で不都合が生まれるのかもしれませんけれど。


カイジが隠しボックスを開けたことを知った和也は、それを言及してこないカイジの態度から、つまり隠しボックスの残りAの枚数の違いによる利を利用しようとしていると確信。

つまり↓

いや・・・それは違うんじゃないかな。


まず、マザー・ソフィーは片方が破滅しない限り止まらないという設定となっています。つまり、仮に和也にイカサマを認めさせたとしても、そこで勝負を終わらせることができません。ベルトも外れませんから、結局は勝負せざるを得ないのです。

チャンの言う通り、こうなってしまった以上は耐えて裏をかくしか道がありません。


ですから、別にイカサマを合法と認めたわけではないですよね?ただ、そうするより他に方法がないだけ。Aの残り枚数など関係ありませんし、断じて外道ではないはず。

和也はここからは何でもありの乱戦だ!と心中で思いこの1話を締めましたが、開き直っているのが腑に落ちないなあ・・・。無理矢理に自分を正当化させているだけに見える。

何だろう・・・こうなると、和也の真剣勝負にしか生きがいを感じられないという持論がそもそも罠だったのではないかと思えてくる。さすがにそれはあり得ないですけど・・・。


カイジが強硬策を使えるなら、チャンマリを呼んで爪楊枝を渡し、和也のボックスを無理矢理引き出して認めさせることで自動的に勝利。もしAが使われていなかったとしても、その隠された装置があった時点でイカサマですからね。

チャンはとっくに収納済みで証拠は残っていないと話していましたが、一度閉めたらもう開かないのでしょうか。また爪楊枝を差し込めば出てくるのでは?

もし開かないとしても、穴はあるはず。穴も塞がれたとしても、カイジ側に出てきたことは事実ですから、席を選んだことを指摘すれば和也側にもあることは明白。というよりカイジ側に出現した時点で、それ自体がもう事前の説明には無かったこと。どちかが有利になるかは別として、勝負の公平性が欠如しているのは間違いないことです。


その後はイカサマの代償としてチャンマリの監視の下でわざと負けるカードを出させ、和也のライフが尽きさせることも・・・できないわけではありません。チャンマリが和也の後ろに回るのはルール違反ですが、それ以前に和也が違反しているわけですし。

ですから、本当ならこの時点で和也は負けているともいえる。

Eカードやチンチロ、沼、17歩はイカサマの種に気付くことはできても、押さえることは難しかったのですが、今回はその動かぬ証拠がカイジ側にもあるので事情が違いますからね・・・。


ただ・・・まだ何か隠した仕掛けがある危険性、指摘しても巧みに言い逃れられてしまう可能性、指摘してもわざと負けるなどしないという可能性、いざとなれば外の黒服を呼ばれてしまう事などを考えると、イカサマの指摘で自動的な勝利を狙うのもリスクはあります。

和也が話すようにイカサマ上等でも乱戦上等でも構いませんが、それを含めても、あくまでこれは真剣勝負であるはず。しかし、今はそれ以上の理不尽を感じる。もちろん隠しAを利用しての裏の取り合いは気になりますし、劇的なラストが待っていそうな期待感はありますが・・・和也というキャラクターがよく分からなくなってきてしまった。今後フォローの裏付けが展開されるのかもしれませんが、今回の言動はあまり好きではなかった。


次週は休載。

若干不満が多い感想になってしまいましたが、全ては今後の展開への期待の裏返しです。