賭博堕天録カイジ ワンポーカー編・第215話『突起』感想 ~7年の時を越えて~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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急展開から2週間、果たして和也は本当にイカサマを使っているのか?

注目の展開ですね。


それでは感想・・・の前にトネガワ情報。

8/5発売の3巻について表紙と限定版の詳細が判明しました。


表紙からフルスロットルで飛ばしてますね!(^▽^;)

これは追いかけっこ・・・ですか?w なぜか限定版では順位が逆転してます。

状況もシュールですけど、この会長の表情は卑怯でしょw

てか会長、それだけ躍動感のあるダッシュができるなら杖いらなくね?w


まあ、トネガワに野暮なツッコミは不要。悪い意味ではなく、この勢い先行の強引なノリが魅力ですからね。今後も型にはまらず、表紙の二人のように突っ走ってほしいです。


そして、限定版には何かしらの特典があると予告されていましたが・・・

6種の名場面を用いた付箋に決定!

正直、もう少し攻めた付録を期待していましたが、ビジネス関係で安価なものは限られますよね・・・。仕方ない。

てか焼き土下座の鉄板をメモにしたらダメでしょw それこそ何を書いてもシュールになるよ。

実用的なようで、実はそうでもない辺りがトネガワらしくていいですね。

私は既に限定版を予約済みですが、今から待ちきれません!


それでは以下今週のカイジ。

○=提出カード
カイジ/和也 LIFE(2・10) 1ライフ=2億円
1回戦
D・D U・U
2○・4 A○・A 1勝/0勝 LIFE(3・9)
Bet1→コール
2回戦
D・D U・D
2・4○ A・3○ 2勝/0勝 LIFE(4・8)
Bet1→コール
3回戦
U・D U・D
Q・2○ A○・6 3勝/0勝 LIFE(5・7)
Bet1→コール
4回戦
U・D U・D
Q・6○ 9○・6 4勝/0勝 LIFE(6・6)
Bet1→カイジBet2→和也ドロップ
5回戦
U・U D・D
K・Q○ 6○・3 5勝/0勝 LIFE(7・5)
Bet1→カイジBet2→和也ドロップ
6回戦
U・D D・D
K・6○ 3○・3 5勝/1勝 LIFE(5・7)
Bet1→カイジBet2→和也Bet3→カイジドロップ
7回戦
U・D U・D
K○・7 9・3○ 6勝/1勝 LIFE(6・6)
Bet1→コール
8回戦
D・D U・D
7○・5 9・3○ 6勝/2勝 LIFE(5・7)
Bet1→和也Bet2→カイジドロップ
9回戦
D・D U・U
5・4○ J・9○ 6勝/3勝 LIFE(4・8)
Bet1→コール
10回戦
D・D U・U
7・5○ Q・J○ 6勝/4勝 LIFE(3・9)
Bet1→コール
11回戦
U・D U・U
K・7○ Q○・A 6勝/5勝 LIFE(2・10)
Bet1→コール
12回戦
U・U U・U
KK○ A○・A 6勝/6勝 LIFE(0・12)
Bet1→カイジコール→和也Bet2→カイジコール
~~~赤ライフ登場・生死を賭けた闘いへ~~~
13回戦 LIFE(1・12)
U・D U・D
K○2 A○・6 6勝/7勝 LIFE(0・12+1
Bet1(カイジ)→自動的にコール
~~~チャンマリの赤ライフ2つを追加~~~
14回戦 LIFE(212+1
U・D D・D
82○ 7・6○ 7勝/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→カイジBet2→和也ドロップ
15回戦
U・D U・D
87○ J7○ 7勝/1分/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→コール
16回戦
U・U U・D
J○・8 J○・4 7勝/2分/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→コール
17回戦
U・U D・D
Q・8○ 5・4○ 8勝/2分/7勝 LIFE(1+3・11)
Bet1()→コール
18回戦
U・U D・D
Q○・9or8 5・3○ 9勝/2分/7勝 LIFE(2+3・10)
Bet1→コール
19回戦
U・U U・D
9○・9or8 Q・5○ 10勝/2分/7勝 LIFE(3+3・9)
Bet1→コール
20回戦
U・U U・U
9・8○ Q○・9 11勝/2分/7勝 LIFE(5+3・7)
Bet1→カイジBet2→和也コール→カイジBet4(3+1)→和也ドロップ

21回戦

U・U U・U
K○・9 Q○・9 12勝/2分/7勝 LIFE(6+3・6)

Bet1→カイジBet2→和也ドロップ

22回戦

U・U U・U
J○・9 A・9○ 13勝/2分/7勝 LIFE(7+3・5)

Bet1→カイジBet2→和也ドロップ

~~~チャンマリ後退・正真正銘1vs1へ~~~

23回戦

U・D U・D
9○・3 A○・? 13勝/2分/8勝 LIFE(5+3・7)

Bet1→カイジコール→和也Bet2→カイジコール→和也Bet3→カイジドロップ

24回戦

U・D U・D
8・3 ?・?

Bet1→


いや~この2週間は長かった。前回があの内容でしたから、いつもより待ち焦がれた分長く感じました。

そして、今週も物語は大きく動きました!


前回、和也に負けずUPカードを引き入れたカイジですが、それはUP最弱の8。しかし、カイジはその結果に落胆するでもなく、ある疑念を確信に変えていたのでした。

それは、和也のイカサマ使用。前23回戦で和也が出したAは、温存されたものではなく突如として舞い降りたもの。つまり、このマザー・ソフィーの台のどこかに隠された仕掛けがあり、Aはそこから持ってきたものだと考えました。

そして、座席はカイジが決めた以上、カイジ側にもその仕掛けがあるのは間違いありません。


和也にバレないよう、慎重に台を調べるカイジ。しかしテーブルの下側も、ボックスの裏面も、ただツルツルしているだけでスイッチのような物は何もありません。当然ですが、パッと見て気付くような仕掛けではないでしょうね。


カイジも半ば諦めかけますが・・・台の側面をなぞったその時!

アッサリ見つけた!(@Д@;


マジですか!展開が早い!

そして内容はさておき、何かがあったと判明したこの時点で、和也の不正は決定。まあ前回の流れから一転してシロというのは考え辛かったですけど、本当に一戦を越えていたのですね。

模様でカモフラージュしている上に小さい穴とはいえ、これは簡単に手の届く位置。注意深い人なら開戦前に気付く可能性もありますから、和也としてもなかなかリスクのある手口ですよね。


しかし、その穴はあまりに小さく、奥にあるボタンまではカイジの指も爪も届きません。何か先の尖った道具が必要ですが、和也はそんな物を持っていたのでしょうか?


その時・・・!カイジにある記憶が蘇ります!

それはワン・ポーカー編(単行本上では和也編10巻ですが)突入の連載再開第1話。

現在の倉庫へ向かう車内で、カイジが和也に煙草を貰うシーンがありました。その中で、誰もが少なからず気に留めた、そう・・・アレです・・・!

ハッ・・・!(゜д゜;) ウ、ウソ・・・まさか!


あのデコボコって・・・

ひょっとして この極小の穴の深部に

指じゃ届かない その奥のスイッチに↓

おいおいマジか! 確かに不自然な描写ではあったけど、あれが伏線だったの!?

(↓和也編10巻・第98話『長夜』より)

当時から意味深だな・・・とは思っていましたが、この一連の会話はご覧のように「キモ~イ!」というオチで終わっている上に、この後は美心による「ループイカジ君」や村岡社長の狂態と、お笑いシーンが続く流れでした。単純に勝負の前の緩急をつけるサービスかとも思っていたので、この辺りの露骨な伏線臭を消す技術はやはり上手いですね。

限定ジャンケンのチョキ3枚流しの際も、一見するとカード破棄を巡るルール確認を装っていましたし、アカギの輸血も肩傷の治療&ドリンク購入で違和感を消していました。


和也のマニキュアがイカサマのトリガーだとすると、確かにポケットから何かを取り出すような必要が無いので、不審な動きをしなくて済みます。しかも、何かのはずみで道具を紛失する、という心配もありません。仕込む場所としては最高と言えますね。


しかし、カイジとしてはイカサマの出所を押さえながら、一切何もできない状態。これではスイッチを押せる和也だけが有利という、現在の状況は変わりません。

カイジにも先の尖った針のような物があればいいのですが、そう都合良くあるはずもなく・・・もはやお手上げというカイジが一応ポケットをさぐってみると・・・!


・・・何かが手に触れました・・・!


それは・・・!まさかの!アレっ・・・!

私は完全に忘れていました・・・!アレを・・・!

それも伏線っすか!(°д°;) 素直に感心しました。

マニキュアの伏線は3年前ですが、この爪楊枝に関しては和也編の1巻第5話『絶望』でのこと。救出ゲーム、さらには愛よりも剣より前のエピソードですから、実に今から7年前ですよ!?

アカギの輸血は5年半で回収していますから、恐らくこれは福本作品史上で最長期間の伏線回収でしょう。


その時点では「何かしら小さなボタンを使ったイカサマを次のギャンブルに使う」という曖昧な構想だったのかもしれませんが、さすがに全くのご都合、こじつけとは思えません。あのモテエピソードもマニキュア同様にやや唐突でしたから、あらかじめ今回の回収を見込んだものでしょうね。

(↓和也編1巻・第5話『絶望』より)

このときカイジが楊枝をポケットに入れた描写はありませんでしたが、ちゃっかり拝借していたのですねw 百万以上の価値と言われてしまえば当然か。


まさかまさか、1話で一気に2つの伏線を回収するとは。前回に続いて驚異的なスピードで物語が進行しています!コマは大きいですが、速度だけなら限定ジャンケン並みじゃないですか?

13巻完結なら、残り約12話。明らかに巻きが入りましたから、不可能ではありませんね。


そして内容ですが、爪楊枝によってカイジもボタンを押すことができる状態になりました。まだ不正の内容は明かされていませんが、恐らく予備のカードが現れるなどして、自由にAを入手できるようになるのでしょう。


しかし・・・カイジはAを使っていいのでしょうか?

というのも、不正の鍵となる爪楊枝が他でもない和也から渡された物である、という点が引っかかります。マニキュアにしてもカイジが気付いたのは倉庫到着の直前でしたが、実際はレストランにいる時から常に隠すことなく見せていた訳ですし。


和也は17歩で初めてカイジに会った際に、既に伝説の博徒であるという評価をしていました。今から考えると17歩での観戦は、カイジが相手のイカサマを逆手にとって勝利してきている事を念入りに確認していたとも取れます。

つまりカイジが不正に気付き、裏を取ることまで含めて想定内なのでは・・・。その背中を押すために爪楊枝を渡したのでは・・・と疑ってしまいます。


一旦少し話が逸れますが、これまでAは和也にしか渡っていません。しかし、その全てが不正によるものではないはずです。例えば初戦のW・Aは黒服が背後にいましたが、その一人である高崎は後に倉庫から去った後に「坊ちゃんはガチの勝負で無敗、単純に運の箍が外れているおかげ」と語っています。つまり不正を目撃した事が無いということです。あの時カードをめくった和也の表情からしても、演技ではないでしょう。

例えば、恐らく和也がこの勝負で最も苦しんでいたのは20回戦。幻想のKに怯え、カイジの9に対してQで降ろし負けを喫した場面でしょう。何の免罪符にもなりませんが、それでも数戦は我慢していたことから、やはり極力不正に頼りたくはない意識はあったのでしょうか。


あるいは、仕掛けるタイミングを待っていたのか。カイジにAが渡っていないように、和也には未だに2が渡っていません。

もし和也に2が渡っていたとして、Aの不正を働き、それをカイジが察知、同様にAを出させることができれば・・・Aならカイジは降りませんし、2でその首を獲ることができます。

もし今明かされていない和也のDOWNカードが2なら・・・そういった戦略も可能かも。そして、現在カイジには3がありますから、仮に不正によって8をAと交換してしまった後でも2を殺すことができます。やはりカイジの3も何らかの巡り合わせか・・・?

この24回戦で和也がチャンマリの接近を許したのも、既にAのすり替えが済み、あとは2で殺すだけ。もうすり替える必要がないから、という余裕からとも考えられます。


しかし、問題はチャンマリを下がらせたタイミング。それは23回戦のカード配布前でした。少しでも不審な動作を察知されないように、不正を働くための保険として下がらさせたと考えられますが、そうなるとDOWNカードが2という可能性は低くなります・・・。下げた以上は23回戦でAの不正を働くと決めていたわけで、2でAを殺そうとするなら、その時点で2が手元になければいけません。しかし、(すり替えがあったと断定してしまいますが)下げた時点で持っていたのはAとすり替える前の何らかのUPカードでした。偶然そこで2を引いて間に合った、というのは無謀すぎる賭けですし、これで予想は破綻か・・・。

不正の内容がAだけではなく、全てのカードを自由に持ってこられるという物なら解決ですが・・・。


しかし、ここまで来た以上はカイジが和也の不正の裏をかくはず。展開速度的にも、雰囲気的にもこれが最終戦の様相ですから、8、あるいはA、あるいは3で一気にライフを積んで勝利する必要があります。和也に最大限ライフを積ませるには、和也に勝利への絶対的な確信を持たせなければいけません。Aの裏を取る2は持っていないわけですから、同様の思考となった和也のさらに裏を取る3での勝利というのが、やはり自然な気がするのですが・・・あと一歩予想が届きません。


また、そもそも和也がイカサマに頼ってしまった、というショックも少なからずあります・・・。やはり救出でのベルト固定がいざとなると不正を働く、という裏付けだったのかな。でもガチ勝負、ガチの感情にしか生きがいを見出せないという生い立ちも、兵藤の血は根がフェアーであるという設定も、どちらも好きだったんだけどな・・・。

しかし・・・思えば和也はフェアーだからもう一勝負、という流れが救出ゲーム終了時には、これから向かう先は悪魔の奸計の巣だからチャンマリも監視役で付いてきてくれ・・・という流れに変わっていたのも事実。ベルト固定と併せて、和也はイカサマをしかねない人間だと、徐々に軌道を修正して読者に伝えていたのかもな・・・。

どちらにせよ、この展開となった以上は吹っ切れるしかない。和也を見る目を変えるわけではなく、それら変化の全てを含めて真剣勝負だと捉えよう。


展開も早いですし、次回が気になりますね。本当に楽しみ。