プロフィールにも書かせていただいていますが、私は以前、保育士でした。
私立(社会福祉法人)の認可保育園でしたので、ハンディキャップを持つ子どもたちも受け入れていたのですが、当時、年中組に足が不自由な男の子がいました。
彼、Sくんは生まれつき、両足の麻痺のため、立つことができませんでした。
ただし、腰から上は動かずことができたので、ひじ掛けのある椅子であれば、座ることはできました。
そして移動する時は、室内であれば、ほふく前進で自分で動くことができましたが、教室から出る時は、保育士に抱っこしてもらう(5歳児としては少し小柄でした)しかありませんでした。椅子に座ることはできても、座った状態で、腕の力で車いすのホイールを動かすことができなかったからです。
したがって、保育園に来る時は、お母さまの運転する車で登園していました。
私が、Sくんを思い出しのは、先日、あるソーシャルメディアの情報で、
「子ども用車いすの存在知って」という記事を読んだから・・・。
Sくんが保育園時代には、なかった現在のハイスペックな子ども用車椅子・・・
大きさや見た目がほとんどベビーカーと変わらないため、ベビーカーと誤解されてしまうことがあるのだそう。
そうすると、
「邪魔だから折りたたんで」
「歩かせなさい」
「そんなに大きな子をまだベビーカーに乗せているの」
と非難されてしまったり、必要なサポートを受けられず、
様々な困難を強いられるというのです。
★ベビーカーと間違えられるこども用車いす
そこで、お子さんが子ども用車いすの利用者である、1人のお母さまが
「子ども用車いすのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたい」と活動を始められたということを知りました。
私も何度か街で、このようなバギータイプの子ども用車いすを見かけたことがあります。
保育士時代にSくんと一緒に過ごしたこともあり、(あの時代に、このような車いすがあったら、もっとSくんにもいろんなことをさせてあげられたな・・)と思ったことがありました。
しかし現代では、この便利な車いすが、邪魔者扱いされてしまったり、誤解を受けてしまうとは・・。
車いすと聞くと、ホイールを腕の力で動かすタイプを思い浮かべてしまいますが、それだけではないのです。
これも車いすなのだということを知ってほしい・・・私もそう思います。
そして、車いすの人も普通に移動できる街であってほしいと思います。
私はカナダに留学していた時代に、ある出来事に非常に衝撃を受けたことがありました。
週末にクラスメイトたちと、ダウンタウンにある人気のクラブ(当時は、ディスコと言いましたが・・笑)に行ったのですが、ダンスフロアに車いすで踊りにきているカナディアンの女性がいました。
彼女は、2,3名の友だちと来ていたようですが、一緒に友だちはもとより、そこにいるお客さんも何の違和感もなく、当たり前ことなのです。
他の国はわかりませんが、私は、この時にdiversityという言葉を意識したのでした。
子ども用車いすのことももっと知っていただき、ハンディキャップのある子どもたちも自由に行動、活動できる社会になってほしい・・・そう思いました。
そして、保育や教育にたずさわる者として、どんな形でも良いので、このような活動に関われたらと思います。
”子ども用車いす”とわかるようにマークも作っているのだそう。
★「子ども用車いすのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたい」
その願いから立ち上げられた 一般社団法人mina family(ミナファミリー) の活動です
http://alternas.jp/work/ethical_work/74990#more-74990