霞家とコラボ 1DAY Adventure~ウンスver…? 終 | 壺中之天地 ~ シンイの世界にて

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韓国ドラマ【信義】の二次小説を書いています

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「あ〜コレコレコレ〜!」

ウンスはクローゼットの中から、今朝見つけた箱を引っ張り出した。
開けると中にはいろとりどりの衣装が入っている。

ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪

指を差し差し吟味する。
ウンスの思惑はというと、もちろんウンスが着てヨンの前で披露、約束通りコスプレ趣味を認めさせるつもりだった。


(あ、これかわいい〜)

ウンスが手に取ったのは赤ずきんちゃんの衣装。
白いブラウスに真っ赤なスカート、編み上げベルトが中世風で可愛い。もちろん赤頭巾、真っ赤なフード付きケープもある。
コスプレ感は満点だ。
早速ウンスはそれに着替えた。




「うん、意外にいけるじゃない??ちゃんとウエストも閉まったし、太ったかと思ったけど良かった〜」

鏡を見て悦に入るウンス。

「だけど、ちょーっと露出が多いかしら……」

鏡で映った姿を見て、うーんと悩む。
丈が際どいくらい短い。
ウンスの抜けるように白い太ももが妙に生々しくみえる。
これでこっちのヨンの前に出るのは色々とまずい気がする……
いや、まずいだろう。
もしかして一層禁止されるおそれと、身の危険……だってウンス違いだと知らないんだから。
二重の意味でまずい。

思い直したウンスは、再び箱の中を漁った。

「あぁ、これこれ、これがいいわ」

ウンスが見つけたのはオオカミの被り物のついたコートだ。


「ウンス?何してるんだ?大丈夫か?」

扉の向こうからヨンの声がかかる。

「あっ、まだまだ開けちゃだめ〜!」

扉の外にヨンの気配を感じたウンスは、慌ててオオカミコスチュームをすぽんとかぶった。

その時だ。

『お待たせ〜!!!』

頭の中に、また今朝の声が飛び込んできた。

『やっと直ったよー楽しめた??それとも早く帰りたかった??
ごめんね〜すぐに戻すから!!いくよ!』

「えっ?ええっ??うそ、今?
ちょっと待ってぇぇ〜!!!!!」

ウンスの視界にに映る自分……つまり赤ずきんの衣装を着たオオカミが段々と薄らいでいったかと思うと……そのままブラックアウトしていった。




ブラックアウトしていた時間はどれくらいだったのだろう。
さっきよりも幾分か暗い明かりの中で、ウンスははっと目を覚ました。

その瞬間

ドンッ!!ガタガタガタガタン!!

と大きな音がして、ウンスは振り返った。


「きゃあ〜!!
ヨン、大丈夫???」

夫が、正真正銘、彼女の夫のヨンが、手に花瓶を抱えたまま、尻餅をついている。
ヨンがぶつかったせいで、背後にはあるはずの扉は抜けて外れていた。
ウンスがかけ寄ると、ギョッとしたように目をこれでもかと見開いた。


しまった!
今ウンスはオオカミ人間に変身中だった。

「ヨン、わたし!わたしよ!」

ウンスは慌てて狼のコスチュームを脱ぎすてる。
出てきたのは色っぽすぎる赤ずきんちゃんだ。


「大護軍?!どうしたんですか!?」

近くにいたテマンも、すわ一大事と走ってきた。

「テマン!!来るな!見るな!」

ヨンが焦ったように大声を上げ、ウンスを囲うように覆い被さる。
その瞬間手に持っていた花瓶が宙を舞い、テマンに向かって飛んでいった。

「うわっ」

テマンはそれをマトリックスばりのアクションで躱すと、手で見事キャッチする。

今日は一日中二人の様子が変だった。
何があったんだろう。
気になってもう一度大丈夫か確認しようかと思ったがやめた。

どうせ閨でやることなんか一つしかないんだ。

ニヤリと笑みを浮かべると、テマンは気を利かせて姿を消した。




「ごめんなさい…びっくりさせちゃった…?」

ウンスが小声で謝ると、ヨンはウンスの顔を上げさせた。

「イムジャ…なんだな」

「…うん、気付いてたのね…」

「当然だ。無事でよかった」

「…うん…ただいま」

ヨンはウンスの髪に顔を埋め、ウンスの香りを嗅いで、これこそ自分の妻だと実感する…が、次の瞬間顔を顰めた。

「酒臭い」

「えっあっ、ほんと??
そういえば天界でビールを一口…」

「一口?」

「いや、一杯?二杯?だったかな…?
天界ではビールは水、なんて言葉もあるくらいで」

ヨンの顔は依然険しいままだ。

「その格好はどうした」

「こ、これ?」

ウンスがスカートで膝頭を隠しながら後ずさった。

「これは天界の文化で…コスプレって言って…
世界中で認められた嗜好に対する主義というか、神聖な儀礼…というか…」

「儀礼?それが?」

「えっ、ええ、誓って、何も変なことはしてないわ」

「変なこと?」

「もちろん誰にも見せたりしてないし…
そうだ!あなたも被ってみたらどう…?」

ウンスは素早く頭からヨンに狼のコスチュームを被せる。
その途端、ヨンの目がすぅーっと細められた。
狼が獲物に狙いをつける時のような目だ。

「ウンス、仕方ない、俺もその神聖な儀礼というものに付き合おう」

「えっ?」

その目がギラリと獰猛な光を放った…ように見えたのは気のせいだろうか。
散々羽目を外したツケはちゃんと回ってくる。
ウンスはゴクリと唾を飲み込んだ。



【1DAY Adventure ~ウンスver.……?】終






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      くぅ