2011.3.11.14:46
首都高速をロケバスで走行中、目の前の街灯が大きく揺らいだ。
「風?・・・」持ち合わせる想像力では理解できない未経験の風景だった。
高速道路上の案内板が「次のインターで降りろ」と命令口調で表示するが、訳のわからないドライバーは遅れかけた目的地へただバスを走らせた。
レインボウブリッジから見たフジテレビは黒い煙があがっていた。(実際にはその奥のビルから火災が発生していた。)
目的地であるお台場のスタジオについた頃、事の異常さに気づいた。
道に溢れるサラリーマン達、頭上に止まった無人のゆりかもめ、あちらこちらから聞こえるサイレンの音。レインボウブリッジを歩いて渡る人の波・・・。
東京が破壊された?・・・。
スタジオのスタッフから地震の事を聞かされた。「もうすぐこのあたりにも津波が来るそうです。ですから早めに移動してください。」
別のスタジオで撮影していた女優のKも撮影を中止したのか、青ざめた表情でスタッフに囲まれてスタジオを後にした。
スタジオからホテルへ向かう道は人と車が溢れていた。トム・クルーズがでていた「宇宙戦争」だったか、全く動かない車の列。その間をすり抜ける人々の群れ。東京中の人が路上に出てきたかのようだった。多くの人たちが携帯電話を耳にあて歩いていたが、どこにもつながってはいなかったと思う。都市の機能は完全に麻痺していた。
普通なら30分ほどでつけるホテルについたのは7時間以上経っていた。ロビーには帰れない人たちがイスに床に横たわっていた。
翌朝、予定より早く行動を開始する。
ガソリンスタンドでは10軒目にやっと20ℓ売ってもらえた。
無力感を感じ、重苦しい気持ちを引きずりながら東京を後にした。
被災されたすべての方々に、心よりお見舞い申し上げます。
ひとりでも多くの方が救われるように、何ができるのか・・・。
何かをはじめなければ・・・。
【C】