皆様は海外でタクシーをストレスなく使えるだろうか。
海外と言ってもいろいろだが、私の場合は遠くてもタイ、アジア中心になる。韓国では、言葉が少し使えることもあって嫌な思いをしたことはない。上海でも特にトラブルはなかった。台湾では、台南の安平あたりではメーターを倒さない観光価格に何回か出会った。
面白いのはタイで、帰りの空港行きはメーターなしの定額を言ってくるドライバーが多く、値切り交渉しないと倍くらいは平気で取られる。「本当は1000バーツが相場だけど特別に600バーツにしてあげる」とニコニコしながら言われたときは笑いそうになった。王宮からの帰りは、電車がないこともあって、何台か停めて聞いてみても口をそろえて同じ定額だった。街中で渋滞している時間帯は、多少チップを渡しても仕方ないかなと思うが、そうでもないときに知らん顔でメーターを倒さないと(倒すも回すもアナログ時代の名残り表現)、「メーターメーター!」と指さして叫んであげる。苦笑いして動かせば笑ってすませるし、雰囲気悪ければすぐに降りる。
タイも台南も、もちろんそんなドライバーばかりではないし、楽しく世間話をして、ありがとう、お釣りはいらないから、と降りたことも何度もある。日本じゃないからタクシーでいろいろあるのは当たり前だ、ボッタクリを上手にいなすのも旅行の醍醐味だと言われればその通りだが、それがうっとおしいこともあるし、単に面倒くさい時もある。黙って言い値で払わないと雰囲気悪いときもある。
前置きが長くなったが、海外でタクシーに乗るときに、そんな気遣いを一切する必要がないスマホ用タクシー配車&支払アプリがある。いろいろある中の一つ、UBER(ウーバー)を台湾の台中、高雄で実際に使って乗車してみた。今回はそのレポートである。タイトル写真はバンコク市内の渋滞風景。
●UBERアプリを登録する
概要はUBERの公式サイトを見ていただくとして、サイトにはいまいち使い方が詳しく載っていないので、自分が使用前に疑問だった点を中心に解説していく。
・準 備
iPhoneでもAndroidでもアプリはあるので、まずインストールしておく。これは特に問題ない。
次に海外利用の場合、現地で使える電話番号は必須。具体的に言うと、SMSが受けられる環境だ。SIMフリーのスマホに現地SIMが入っていればOK。その国で使用を始めるときに、1回だけSMSで登録コードを受け取る必要がある。
使い始める前、このあたりが良くわからず不安だった。現地へ到着して、空港で買ったSIMで登録すれば即使える。国が変わったらどうするんだ、という話は後述する。
・登 録
スマホのアプリを立ち上げると、ユーザー登録画面になる。ユーザー登録(アカウント作成)に必要なのは、メールアドレス、名前、電話番号、クレジットカード情報。
日本(2016年10月現在東京のみ)で使うなら、PCのサイトからでも登録できる。
●UBERを使って初乗車・・・台中市
乗車手順は、公式サイトではなく、App StoreやPlayストアのアプリの解説の方が詳しいので、まずそちらの画像を載せておく。
それでは実際にUBERを使ってみる。ここから先は私の体験談で、画面はその時のもの。初回は2016年7月、台湾の台中市で利用した。スマホは日本でメインに使っているiPhone6s(SIMロック解除済)、SIMは高雄空港で購入した中華電信の4G。
まず左の画面。アプリを立ち上げると、付近を走っているUBERタクシーのアイコンがリアルタイムでちょろちょろ動いている。自分の乗車場所をマップで指定、または● の枠に場所名を入力して>をクリック。自分とドライバーと、お互いに視認しやすく停めやすい場所を指定するのがコツだ。
すぐにドライバーの誰かが反応して、中央のような画面に変わる。タクシーアイコンはその1台だけが残って表示され、到着までのカウントダウンが始まる。同時にドライバーの名前と顔写真、車種が表示されるので安心だ。ちなみにアプリメニュー>設定>アカウント編集に、自分の顔写真も入れておくとよい。ドライバーがこちらを確認しやすくなる。
続いて行き先を入力する行● が開くが、これはいまのところマップ上で直接ポイント指定することはできず、文字入力となる。日本で利用するときには不自由ないだろうが、海外ではあらかじめグーグルマップなどで行先名をコピーしておくと良い。自分で入力しようとしてモタモタしているうちに車が来てしまう。もっとも、入力が間に合わなくても気にしなくていい。ドライバーに直接行先を告げるのが従来のタクシーの作法なので、普通にドライバーに伝えればいい。ただ、言葉も現地文字もダメな場合、入力が出来ればドライバーと会話する必要すらない。
エアコンの効いたホテルのロビーで、スマホの画面を眺めながらタクシーの到着を待つ。暑い季節だったので、極楽だ。タクシーのアイコンがマップ上をリアルタイムで動き、近づいてくる。程よいタイミングを見て表に出ると、ちょうどタクシーが交差点を曲がってこちらに向かってくる。一般タクシーと違って自家用車なので、見分けはつきにくいと思うかもしれないが、車種とリアルタイムのマップ表示があれば大丈夫だ。車のウインドウが開くと、画面に表示されていたドライバーが座っている。
「你好。UBER?」「Yes. Mr.***?」「Yes!」「OK!」
今回の目的地は、国立自然科学博物館。画面には到着までの予想時間が表示され、マップ上をタクシーのアイコンが動いていく。
今回はヒュンダイSUVの兄ちゃんの助手席に乗った。ボロタクシーではないので、乗り心地もいい。目的地に着いたら謝謝!で降りるだけ。
料金は一般タクシーと同じくらいだが、
実際に使ってみた感想だが、一般タクシーの煩わしい所をすっきり削除したような清々しさと、友人の車のようなカジュアル感覚は、かなり快適だ。もう病み付きと言ってもいい。台中市では2回利用した。帰りに利用したホテルから駅までは、短い距離だったが気持ちよく利用できた。歩いても10分ほどの距離なのだが、真夏の炎天下、ガタガタの歩道をスーツケースを引いて歩くのはつらい。来た時には、駅のタクシー乗り場で、すぐそこだから歩けと乗車拒否されたのだ。
初回乗車無料のクーポンコードを貼っておくので、機会があったら使ってみて下さい。高雄では最大NT$100と表示があり、都市によって違うそうだ。
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●高雄市のUBER事情
今度は2016年8月、台湾の高雄市でのUBER利用。写真は高雄市客家文物館。
流しのタクシーがなかなか見つからない場所で、
アプリでこのような履歴を見ることもできる。料金も、台湾でタクシーに乗るとだいたいこんなものだ。au表示なのは、日本へ帰ってきてから見ているから。
残念ながら、台南市はUBERは無い。
●バンコクのUBER事情
2016年8月中旬、タイ、スワンナプーム空港。深夜便で到着してまずSIMを買い、UBERの設定画面で電話番号を変更する。前回は台湾で使ったので、中華電信のSIM番号で登録してあったのだ。
UBERのアカウントは、電話番号だけを簡単に変更することができる。だから、複数の国で使うには、その都度、渡航先で使うSIMの番号に変更していけばよい。
名前やメールアドレス、写真、料金引き落としのカード情報はそのまま維持される。なので、登録やり直しほどの手間はかからない。電話番号をいくつか登録して、その中から選べるようにしてくれるとありがたいのだが、アップデートに期待しておこう。
しばらくするとSMSが飛んでくるので、記載された4桁の登録番号を入力して、タイでの準備完了。冷たいコーヒーを飲みながら、タイのUBER状況を見てみる。
左の画面が、早朝6時前のスワンナプーム空港、UBER待機状況。
正規がなぜ安いかという話だが、タイのタクシー事情は最初に書いた通りなので、そういう交渉に費やす時間とエネルギーおよびドライバーへのチップが一切不要な安心感を考えると、
中央の画面は夜の10時半ごろ。空港から市内へのUBERタクシーは、あてにして良さそうだ。今回は1人だったので電車を利用したが、2人ならUBERで快適に移動するところだ。
中央と右側の画像はauだが、日本にいてもマップをスクロールして状況を確かめることができる。これだと、いたずら配車コールができるのではと思うが、個人が特定できるアカウントなので、悪質なユーザーはUBER運営から粛清されるだろう(笑) これはドライバーにとっても同様で、ユーザーからの悪評が重なればクビになることは容易に想像できる。このあたりの相互監視が安心材料でもある。
画像右側、平日夜10時のアソーク付近。昼間バンコクの中心部では、
●アジア諸国のUBER状況
画像は、左から、上海、香港、シンガポールのUBER。これだけ稼働していれば十分使える。
車種もいろいろあって、uber BLACKは黒塗りハイヤー。東京がこの車種だ。XLは、ミニバン等多人数用。シンガポールはいろいろあって、ASSISTの他に、Exec、ExecLargeと高級そうなのも走っている。日本でも東京だけでなく、適応都市を増やしてほしいものだ。
このシステム、白タク判定されたり、既存のタクシーと競合する部分もあるので、いろいろ問題もあるようだ。韓国では違法の判断が出てCEOと現地子会社起訴という過激な状況になっている。
しかし私は、少なくとも快適な思いをした台湾でなら、UBERに乗る。他国ではまだ分からないが、UBERが走っていれば積極的に乗ってみようと思う。なぜなら、既存の一般タクシーの嫌な部分面倒な部分がないからだ。世界中で需要が増えているのも理由があるはずだ。皆様も、機会があればぜひ一度体験してみてほしい。
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