各々の役割と段階をイメージしやすいように、表にしてみました。(あくまで一例です)

疾病や症状には原因があります。
その多くは病原菌だったり寄生虫だったり、ウイルスであることも、はたまた複数の競合や不適切な環境の相乗りだったりもします。
原因の除去にはコンディショナーが有効です。

大まかな原因が殆ど除去された時点で回復期が始まります。
(この頃の外観はまだ病魚です)
この時期に気をつけるポイントは3つあります。

1)残存や休眠した病気の原因を再起動させないこと(再発防止)→失敗すると再発・悪化
2)感染や寄生で出来た生傷を塞ぐこと(二次感染の防止)→失敗すると敗血症に進む
3)細胞が元の機能を取り戻せるまで負荷を与えないこと→失敗すると遊泳不良や粘膜異常分泌・鰭欠損等の後遺症が発生

上記3つをうまくやり過ごすことで魚体は健康体に戻ります。
回復期を如何にショートカットできるかにこそ、病魚治療のポイントはあります。

BOCTOK11には病原菌や寄生虫を抑制する効果はありませんが、回復期の時間を大幅に短縮させる、時計の早回しのような効果があります。

一刻も早くリカバリータイムを終えさせることは、金魚の死因の多くを占める敗血症の感染機会低減にも繋がります。寿命の引き伸ばしに極めて有用です。
また、内分泌系の手こずる疾病発生時には治療の初期から給餌することで、早期の内臓機能回復を期待できます。
腎臓肝臓系のトラブルにリカバリーという点から対応できるのは、おそらく初めての効能かと思われます。

一点だけ、治療の一番最初にBOCTOK11を与えることだけはお止め下さい。必ずコンディショナーを入れた二日目以降に与えて下さい。
原因が残ったままリカバリーをしても、全く無意味です。
何も解決していないのに元気になったように見えてしまうかもしれません。

どう併用するべきかお尋ねを戴いたので、まとめてみました。
治療初日に与えないことだけお守りいただければ、各段階、飼育者様各々のご判断で増減して基本的には良いと思われます。

以上
水棲疾病基盤研究所