17年年末頃に、病気のご相談を戴きました。

水試&水産系大学に照会して診てもらっても、「すごい驚きました!」「なんだかわかりません」「治し方?わかりません」

というご回答だったそうで、巡り廻って当研究所に参りました。

例によって、塩&市販薬&業務用薬剤全てが効果なく、やり尽くした後にいらっしゃいました。

このパターンはあまり珍しくはないことだったので、正直もっと早くいらっしゃって欲しかったな!という部分が大きかったのですが、

色々な意味で見た目が強烈で確かに珍しい。。。と思われた疾病でした。

 

その症状は

1)次々と感染し、同じ症状を呈して短期間のうちに斃死する。

2)健康なものにも伝染する。

3)飼育者様曰く、健康な外観からこの容貌になるまで1~2日。

4)一滴の血も出さず・・・。

5)発見地がAIT県YTM地方。

6)今のところ鯉で確認されている。

 

当研究所としては

先ず、一番最初に病魚画像を拝見したときに、

念のために、「板前修業中」の人の練習台にされている可能性や、「私的怨恨」を受けて、人為的にこういった悪質ないたずらをされているのではないか、もう一度はっきりと確認して欲しい。

と、心の中で要請をしました。

が、全ての毛細血管を損傷せず発生していることが確認されましたので、これは人為的なものではなく、或る種の疾病であると断定した次第です。

 

この症状を呈したものは、呼び様もないので

コールサイン:「お造り病」 Болезнь Оцухули/ Otsukuri disease

と命名致しました。

※お造りとは?

 https://nori510.com/wp-content/uploads/DSC_09791.jpg こんな感じですね。

 

以下の画像が、問題の病魚です。

↑いきなりぺろんとこうなって。

↑肉が溶解して骨が露出すると死ぬそうです。その間、1~3日程度。

 

その間、魚は元気に遊泳し、餌すら食べます。

これは、速度的に

******と*****の複合合併症に類似していますが、

****の関与も疑わしく、

また、常道としては****を第一に疑うべき状況ですが、水試&大学得意中の得意の****がひっかかっていないので、先ず排除してかかったほうが話が早そうです。

完璧に同定するには斃死魚が持っている細菌から日和見&常在菌を削除せねばならず、至極面倒くさいお話になってしまいます。

常日頃言っていることですが、この手は同定している間にバタバタ死ぬものですから、とっととあたりを付けて開始をしなければなりません。

そこでこの感染魚たちを移送する算段にかかったところ、嫌な予感が的中し、梱包する前に全滅した。と、連絡があり・・・・・。

 

鯉だから金魚には関係が無いととるか、

じきこれは金魚に出る、と取るか?

(我々は「出る」もしくは「既に違う症状として出ている」と見ております)

或いは、発症地域のみで収束できる性質の病気(ようは全滅するので移動ができない)なのか、

潜伏したままどこかに移動してあっちゃこっちゃで爆発感染するものなのか?

臨床治験ができなかったので当たりしかつけられないのですが、

ある意味頻回で魚が往来するエリアの話なので、今後注意深く見ていく必要があります。

鯉に至ってはこういったショッキングな外観になるので、気が付かない人はあまりいないと思うのですが、

それ故に風評被害やパニックを徒に恐れて隠ぺいされる性質の疾病でもある、と見なければなりません。

 

こういった魚を見た方は目撃情報だけでも良いので容赦なくご連絡をください。

我々の初発見立てどおりならば、1クールで治癒に至ります。

怖がって隠さないでも大丈夫なはずです。

寧ろ変に隠蔽しようとして妙な廃棄をすると、そこからパンデミックが起こりかねないので、死体の処理としても十二分にお気をつけください。

秘密は徹底的に厳守いたしますので、ご安心ください。

また、このような魚に接触した際は、バイオハザードを起こす前提で自分自身を消毒し、周囲を守ることが重要です。

手指の除菌のみならず、必ず衣服や靴にも気を付けて、消毒管理を徹底してください。

 

文責:水棲疾病基盤研究所