先日CODの記事で二度と書かないと言いましたが
窒素三態がわからなければ全てが崩壊するということを言い続け、早15年以上が経過したように思います。
ご相談をいただいたメールやお電話で、億回は言っていないと思うのですが、それに近い回数のご説明をこの15年以上繰り返し繰り返し申し上げてまいりました。
これはそれほど重要な項目なのです。
しかし、それでもわからない、理解ができない。という方が後を絶ちません。
そして、これからアクアリウムをやる方がこれを理解できるのか、と言えば多分理解が出来ません。
この試みは、最後のチャレンジです。
窒素三態については本当にこれが弊店の説明できる最終形態となります。
これ以上窒素三態のご説明を求められると、多分いけない領域に自分自身が行ってしまいます。即ち自分自身の言動や挙動が危ぶまれる領域、という所で御座います。
皆さまどうかご理解をいただきたいと切実にお願い申し上げます。
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人の心に着地させるために、私ども、何が欠けているのかについて真剣に考えました。真剣に書けば書くほどどうしても「理由」のご説明に化学的な要素が入り、小難しいとかわかりにくいとか理解が全くできないとか言われます。そしてネット上では我々が日々やっている長い文章が非常に嫌われていること、これはわかっています。ただ、ちゃんと書こうとすると長くなります。しかも全然端折っています。一つのありとあらゆることを言わなければならないのに、あれだけにしているのですが、それでも長くて読まれない、と。
じゃあどうしたら人様にお話を聞いていただけるのかな!?と思い、色々なものを参考にしてみようと思いました。例えば、人を集めて話を聞いてもらうということ。もう、宗教ですね。。。
アレフとかあの辺になると危険なので参考にならないんですけども、この数か月様々な宗教の本を読み漁ってみました。
共通しているのはやはり人を集めて話を聞いてもらう、という部分で、これが出来ないと明確な形の無い神様を信じる宗教とか成り立ち自体が無理なんです。知りたくない奴にまで教えてしまう勢いでいかないと、知りたい奴だけ来いだと、宗教は成立しません。
キーポイントは
インパクト/イメージしやすさ/わかりやすい小難しさ(矛盾を内包した漫画的面白さ)
この辺なんだろうな、と思いました。
人の心に着地する点に於いて、実在して証明できる化学が宗教に負けてしまうのはきっと、この部分です。例えは良いか悪いか分からないのですが、創価学会なんかのキャッチフレーズの作り方は見事です。異様で異質な感じでも、人の心に着地さえしてしまえば、後は勝手に花開くといわんばかりで、窒素三態を知らなくても「聖教新聞」とかみんな知ってるじゃないですか。現実の事象の方が「大作先生のお陰です」とかに全然負けてしまっていて、知ろうとする人も少ない、と。これは本当に大変な問題だと真剣に考えます。
なのでしつこいんですが、このあたりを重視して、今回はお話をしてみようと思います。
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窒素三態(チッソ・さんたい)というと、皆様それだけでアウトなのかもしれません。
窒素(チッソ)とは・・・?
空気中の80%を占める物質にして、元素記号は「N」。
人によれば、それは、JA(農協)にゆかりの深い物質(チッソ・リンサン・カリ=肥料)だったり、またある人によれば公害病の象徴=チッソ水俣工場であることもあり、集団訴訟や雅子妃殿下を連想する言葉である場合もあります。
三態(さんたい)とは、3つの形態。キリスト教は三位一体とか東方三博士とか、3という数字が好まれるようですが、まぁ、「3つのかたち」それ以上でも以下でもありません。
後から振り返ればそれは「窒素三態」としか言いようのないもので、多分納得をしていただける筈ですから、わからなければ今はもういいです。
「ドラえもん」とか「ゲゲゲの鬼太郎」とか、一連のストーリーを指す「タイトル」として、先ず覚えておいてください。
次に良く私どもお客様にお伺いをします。
「アンモニア」「亜硝酸」「硝酸塩」の数値は?と。
なぜその数値が知りたいのか?
それは汚物とか毒とかそういうものを指すものだから、です。
「毒カレー」とか「毒ぶどう酒」とか「汚染土」とかそういうものと同列の話です。
因みに、アンモニア・亜硝酸・硝酸塩、この3つにはどれにも「窒素」が入っているので、「窒素三態」と言われるわけです。
窒素は既にご説明をしました。
これらはどこから出てきて水中に入るのか?
答えは、魚の尻(ケツ)や鰓から出てきて水中に入る、つまり「排泄物」です。
細かく言ってもしょうがないのでざっくばらんでいきます。
ウンコやオシッコ、が原材料であるわけです。
(空気中のものは複雑な説明になるのでここでは省きます)
では、「アンモニア」とは何か?
「生糞(ナマグソ)」や「オシッコ」そのものです。
これはとても猛毒です。
猛毒以前の問題で、特殊な性癖の人や疾病の人以外、それらをなすりつけたり飲食することはありません。
記憶に残るのは、三里塚の婆が強制執行の際、「クソ袋」を機動隊に投げた、と。それが火炎瓶よりゲバ棒より深い心の傷と癒しがたいトラウマを隊員に与え、甚だ激しい士気低下を招いた、と。後に当事者が語っております。
普通の人は他人の排泄したそんなものを投げつけられたら、死にたくなります。
即ち、水中が生活の場である魚にとって、ウンコ・オシッコが溶け込む水中とはゴミ屋敷も真っ青、ペットボトルどころかダイレクトにそのへんにまき散らす、さながら認知症患者の病室か、多頭飼育崩壊現場のよう。或いは居間に実働しているバキュームカーを常駐させて、その中で生活をできるか・できないか?と。ぼっとん便所とか駅の公衆トイレとか可愛いもんです。ここはご理解を戴けると思うのです。
→できません、無理です。
99.5%ぐらいの方がそうおっしゃると・・・思います。
残り0.5%ぐらいの方は、臭いとか毒だとかそういう問題よりも、お医者さんにかからないといけないと思いますので、個人の自由もあることと存じますから、もうこれは結構です。
そんな中で魚は生活をしているんだな、とご想像ください。
それがアンモニアが出ている水、です。
次に亜硝酸(あしょうさん)。
これも毒なんですが、例えて言うなればそれは「腐った鯖」です。
↓「映画どですかでん」で、腐ったしめ鯖を食べて瀕死の少年の図
生糞やオシッコのように直線的に有害ではないのですが、食すればかなりの高確率で激しいダメージを与え、時として「どですかでん」のマイホーム親父の息子のように死をもたらす象徴としても君臨する「不動の毒物」でもあります。排泄物では死ななくても、腐った鯖で直線的に死ぬ人も沢山居ることでしょう。
ここまでで水槽の中で発生していることは
「生糞」や「オシッコ」を食べるバクテリアが居て、
そいつらの排泄物が「腐った鯖」、つまり「亜硝酸」となるのです。
この2つは特に毒性が高く、これが検出されてしまう水槽はアウトです。
赤ちゃんの離乳食に「生糞」や「オシッコ」、「腐った鯖」を1㎎たりとも入れてはいけないように、これらは限りなく出てはいけないものです。
ここまででも既に「バクテリア」という言葉が出てきました。奴らはとても大事な存在です。
普通は「好気性バクテリア」「濾過バクテリア」等と呼ばれ、特殊な例を除くと、空中から自然に入ってきて、濾過槽に定着をします。彼らは窒素を軸とする循環の中に存在しています。
何故空中にそいつらが居るのか?
私は最初に申しました。空気とは80%が窒素である、と。
居るんです、空中には普通に、あたりまえに。そう、窒素を食う為に。
土に蟻やワラジムシ・ダンゴムシ、台所にはゴキブリが居るように、空中には窒素を食べて生きる連中が居ます。目に見えないだけです。
目に見えなくても、インフルエンザにはなるじゃないですか。風邪が移るじゃないですか。
彼らは普通に存在しています。そして時としてあらゆる動作をします。
覚えておいてください。
この1項目だけでもなくなれば、今現在地球に人間はいません。
そこまで大事なものです。
生糞(アンモニア)は形を変えて腐った鯖(亜硝酸)にまでなりました。
まぁ、人によれば部屋の中にまき散らされていても、腐った鯖ならば許容できる人は居るかもしれません。ただ、人によればアレルギーでショック死します。
そのぐらい毒性に個体差があり、毒性が出たときには死んでしまうものです。
場合によると亜硝酸のほうがヤバい、と言われるのはこのためです。
ここからが少し難しくなります。
大体ここで皆様躓きます。
亜硝酸を食べる連中(バクテリア)の働きで排泄されたものが「硝酸塩(しょうさんえん)」になります。生糞の旅はここが終着点になります。
ここで3つの項目が出そろいました。
硝酸塩とは何か?
一番近い大まかなイメージでこんな感じです。
「ただちに影響はない」
これがポイントです。
毒物としては、先の生糞や腐った鯖のように強烈な毒性や猛烈な不快感を与えるものではありません。
しかし、溜まってくると、まさにこの状態となります。
https://goo.gl/maps/pV6mUR6MWNz
ここで想像をしてみてください。
この黒い袋で覆われた汚染土の上に家を建てて生活をしたら・・・?
ここを子供の遊び場として保育園や公園にしたら・・・?
まぁ、狂人のやることです。正気の沙汰ではありません。
だから「ただちに」と前置いております。
「一時的には大丈夫なのだが」と。だから黒い袋も「仮置き場」です。将来的には何とかしなければなりません。
すぐには直撃で殺すパワーはなくても、少しずつ体を蝕み、放置すれば将来的に何かが起こる可能性が極めて濃厚になる。
この黒い汚染土がどんどん増えて、保管場所がパンクしきって、隣県や隣国まではみでていくような状態。
まさにこのイメージです。
それが硝酸塩が貯まりきった状態となります。特殊な場合を除き、硝酸塩は貯まる一方です。
貯まりきってしまえばこの毒性は強烈に発揮され、あり得ないほど邪悪な性質を露呈します。
魚は当然苦しいですし、病気になります。体全体で五感フル動員でそれを味わってしまうのです。
黒い袋が家の前に積まれたら、人間だったら集団提訴や移住を検討することでしょう。
普通の人ならばこの汚染土をどこかに処理して片付けなければ!と思います。
それらが普通のアクアリウムでは「水換え」と呼ばれる行為です。
これで3つの項目がそろいました。
生糞・オシッコ→アンモニア
腐った鯖→亜硝酸
タダチニーエイキョウハアリマセン→硝酸塩
こんな感じです。
この3つ、どれも「窒素」が入っています。そして、空気中から入った窒素が好きなバクテリアは、これらを食べて排泄する形で「硝酸塩」まで分解します。
残念ながら硝酸塩を分解するには更に特殊な方法が必要になります。アクアリウム上級者であれば率先してやっているであろうことですが、そんなことは今は知ったこっちゃありません。
とにかくこの3つと毒性について覚えておいて欲しいのです。
つまり、
「アンモニアが〇㎎出ているのですが、まだ大丈夫ですか?」
と聞く行為は
「生糞が〇㎎食事に入っているのだが、食べて大丈夫か?」
と聞くのと同じです。
普通は「だめです」と答えます。
亜硝酸も同様です。
「腐った鯖が〇㎎離乳食の中に入ったのだが赤ちゃんに食べさせて大丈夫か?」
と言っているのと同義です。
普通「だめです」と答えます。
硝酸塩は〇㎎までならばなんとか、等そういう指標となりますが、
「自宅の庭にTEPCOが汚染土を勝手に搬入し始めて、庭に入らなくなったので、家の中に撒いていいか?と聞かれた」という質問と同義です。
「やめてください」と言います。
たったこれだけのことです。
たったこれだけのことが、アクアリウムでは一番重要なのです。
それは病気とか水の質とか魚の質とか、そんな高尚な問題ではなく、基本中の基本、人間が飯を食って糞をして寝る。と同義です。
感覚としてもこれでおわかりいただけたでしょうか?
きついことを申しますが、これがわからなければ魚は飼うべきではありませんし、飼えません。
わからなければ、猫のトイレを10年ぐらい清掃し続けてみてください。ある日何かが降りてきてわかるようになるかもしれません。
弊店の窒素三態のご説明、最後のチャレンジは以上となります。
※分解するバクテリアはニトロなんちゃらとか言われますが、そんな事はどうでもいいです今は。とにかく上記3つを覚えてください。
※硝酸塩をなくすことは「脱窒」と呼ばれます。それは少し経験をつめばできますが、そんなことは考えないで早く普通の濾過バクテリアを定着させてください。余計なことは考えないでください。
※濾過バクテリアはどこにも売っていません。商材として売られているものは「濾過バクテリアの餌になるバクテリア」や「化学的に分解してしまうもの」そして更には「休眠している」というものもありますが、それらは即効性はありません。即効性という意味では目の前に無限にある空気を吹き込むこと、ここに濾過バクテリアは居ますので、それをフル活用してください。もう一度言います、空気の80%は窒素です。窒素の世界は目の前に無限に広がっています。
※化学濾過と生物濾過は違います。
アクアリウムの商材としてこれらを混同したバクテリア剤が良く見受けられますが、根本的解決にはなりませんし魚体への影響も考えれば、見た目の数値だけで判断するのは単純過ぎます。
基本的生物濾過を理解しないまま化学濾過に頼っても、お先は知れています。
※バクテリア商材では浄化槽用のものが良く見受けられます。(例:〇〇バクテ等)よくご質問を受けますが、これは浄化槽屋の親父さんが常に持ち歩いていて、最後に撒いていくものです。HC等でも売っていますが、動作PHがそもそも人間の胃酸に合わせてあるので低すぎます。金魚飼育どころか、そのバクテリアがまともに動作しているとしたら、ミツカンのお酢よりもPHは低く、このPH帯では魚どころか普通の生物でも育成は困難です。PH7前後の環境に入れても動作どころか死んでしまい、普通は沸いてきた濾過バクテリアの餌にされるだけであり、場合によれば汚物そのものとして毒になります。リットル数の多いものに少量入れるだけなので影響が出にくいだけです。
浄化槽用バクテリアが動作する環境で金魚が飼えると思うなら、サンポールで食器を洗っても大丈夫とかそういう話になります。そういう低PHでは手の皮はボロボロになりますし、多分スポンジにつけて洗っているだけでも掻痒感を我慢できなくなるでしょう。特殊な生き物を除いて大抵の皮膚粘膜を持つ生き物は低PHに耐えられません。
※これから如何なるご質問であっても、窒素三態についてはこれが大前提となるので以降のご返答は一切しないつもりです。そして、先のCODの項目でも申し上げましたが、これを理解していない販売者・指南者はお話になりませんということを、くれぐれもお忘れのないようにお願い申し上げます。
※これでも窒素三態が理解できない!説明できない!という販売者様・指南者等はもういいので、これをプリントアウトしてお客様に渡してください。それだけで色々な負担が減ります。マジでお願いを致します。
文責:水棲疾病基盤研究所