2016/5/10-6/1 процесс заживления/healing process
穴あき、と定義することを躊躇させる劇症型となります。
らい病に類似する症状ですが、らい病菌は関係ありません。
この症状は、多くは極めて短時間のうちに広範囲が崩落し、生傷が開口した形となり、飼い主さまを驚愕&狼狽させるものです。
この個体はちょっとしたうっ血が2日でこうなってしまったということでお預かりを致しました。
"Калашников(カラシニコフ)"を主剤にしてプラスアルファを行い、21日目にて再度撮影を致しました。
当初の、体液が浸出した生傷と腹部の立鱗はおさまり、現在は肉の盛り上がりと表皮の再形成を待っている状態です。
(飼い主様は治療には長く時間がかかるということで弊店に所有権を移されました)
穴あきはエロモナスがメジャーですが、稀にカラムナリスが関与すると、このような劇症を呈することとなります。
私たち自身20年ほど前に同じような症状を体験しておりますが、患部の完全崩落までの時間は発赤から4時間程度であったことを記憶しております。当時は骨まで短時間で露出をし、出血性ショックで個体は斃死致しました。
以前から稀に出現していたタイプの疾病ではありますが、今年に入りこういった劇症型の御相談が複数寄せられております。
従来の薬剤では一切太刀打ちできないこういった症状が複数異なった地点で出現することは脅威であり、今後年を追う毎に症例は増えていくものと予測しております。
対処としては症状の進行さえ止めてやればカラムナリスはそれほど抵抗性のあるものではないので、比較的すんなりと傷口はふさがります。しかし、予後はごらんの通りの状態となりますので、この場合、いわゆる通常管理に移行してからが長患いとなります。そして、傷口がこのように開ききってしまっているので、当然二次感染三次感染が起こらないような環境下で管理をしなければなりません。
また、動画中でも生傷が開いているうちには手袋をはめておりますが、こういうタイプのものには人体への感染も想定しなければなりません。その点、重々御注意ください。
以前はなす術もなく見守るしか出来なかったこういった症状に対処することが出来るようになったことは喜ばしいことですが、毎シーズンのように魚病は深刻化し、治す手段も複雑化しております。弊店でも毎年出る新タイプについては、ある程度の確率(普遍的に80%)で治療を確立しておりますが、次に出てくるものは果たして何であるのか、どのような症状であるのか、変な期待と大きな不安に苛まれます。
この治療中の個体の傷口がふさがった動画は本日たった今撮影したものです。
魚の泳ぎ等ごらんいただければ御理解戴けるかと思われますが、個体自体は元気に泳ぎ、摂餌も極めて良好です。
奇跡的に致命傷な部位が侵されなかったので、現在もこのように肉の盛り上がりを持つという悠長な姿勢でいられる極めて稀な事例となります。
経験上、個体のバイタルサインが正常ですので、この個体は生き残ると感じております。
変化がありましたらまた御報告を差し上げます。
P.S
伊勢志摩サミットの後遺症で通関作業が著しく遅れ、"Калашников(カラシニコフ)"の原材料がいまだ「通関中」のままとなっております。
告知をしておきながら大変申し訳御座いませんが、もう少し時間がかかってしまうものと思われます。何卒御容赦いただけますよう、お願い申し上げます。
