協会系らんちゅう 愛好家物 Ранчу (2 года).


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【ランチュウの思い出・・・2】

とあるメーカー系問屋にアメリカ人ご一行様がいらっしゃった際、偶然かちあったことを非常に後悔したことが御座います。
先ずアメリカの方々なので、全員サイズがビッグアメリカな訳です。
感情表現もいちいちオーバーで、毛むくじゃらの太もものようなむくつけき腕を大きく振って、必死に要求を伝えようとしています。
問屋の担当者の方は未だ到着せず、大男6体の間に私一人という異様な状況でした。
別に私達のお客様ではないので、相手をしたり国際親善を図る必要も無いと思い、しら~っとしてしばらく彼らのすることを見ていました。
尋常ではないほど水槽に顔を近づけてはプラケを落としたり網を落としたりホースにひっかかったりしています。しかもひっかかったのに気がつかないでそのまま歩こうとするんです・・・。全てが「何故??」としか言えません。
もう本当に嫌になって、立ち去るタイミングを計っていたところ、大琉金の水槽を覗き込んでいた一人の大男が、突然両腕を振り上げて
「ラ~~~~~~~ン・チュゥゥウゥゥゥ~~~~~~~~~!!!」
と絶叫したのです。
ガンガン大琉の水槽をたたいて、(コトブキ水槽の強度テストか!?)
「ラ~~~~~~~ン・チュゥゥウゥゥゥ~~~~~~~~~!!!」
と、繰り返します。
『らんちゅうを見たいのに居ないとかそういう意味なのかな・・・。。』
と思い、彼らが動作する度ガラガラ崩れるプラケや何か落ちる音に混ざって三たび聞こえた
「ラ~~~~~~~ン・チュゥゥウゥゥゥ~~~~~~~~~!!!」
の声にそちらを見ると、何と6体の巨人がニコニコと満面の笑みで大琉水槽をガンガン叩き、ラ~ンチュ~~ウ、ラァアア~~~ン・チュゥゥゥウウウウと繰り返していました。
НетじゃなくてNo!それは、、らんちゅうではなく琉金ですよ・・・平賀の・・・、とすんでの所で注意しようと思ったのですが、英語とか日本語とかそういう問題を抜いて、そもそも金魚の品種を説明するには何から言い出せばいいのか?らんちゅうを見たと興奮している彼らを相手に・・・?と、私も深く考えてしまいました。
そうこうする内に問屋の担当者が到着し、どうするつもりなのか観察をしていると、巨人達はニコニコと片言の日本語で
「コニチハ、アッジメマシテ。オアイテキテウレシテス」
と自己紹介を始め、問屋の担当者も日本語以外をしゃべっていません。
ものすごく全てがどうでもよくなって、とにかく人がひしめく空気が暑苦しく狭く息苦しい!と、私は何も買わないで問屋を後にしました。

あの時どうすればよかったのか私は今でも答えが出ないのですが、らんちゅうにされた大琉のことを思うと、しみじみ金魚の海外進出は難しいものだ!と、今でも上気したビッグアメリカン6体の赤ら顔と共に思い出し、複雑怪奇な迷宮へと誘われます。
何故彼らは大琉をらんちゅうと・・・
何故彼らは物にぶつからずに歩くことができないのか・・・
何故日本語しか喋らないで・・・なにを商談しに・・・
何故、何故、何故???

とりあえずアメリカには水物輸送もできませんし、めちゃくちゃどうでもいい話なんですけど・・・。


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