ハイドン/ヴァイオリン協奏曲集
ピンカス・ズッカーマンの指揮、ヴァイオリン。ナショナル・アーツ・センター管弦楽団。ハイドンの作品集です。ヴァイオリン協奏曲第一番 ハ長調 Hob,VIIa-1、交響曲第二十二番変ホ長調「哲学者」Hob.I-22、ヴァイオリン協奏曲第四番 ト長調 Hob.VII a-4の三曲を収録指定います。ヴァイオリン協奏曲は弾きぶりとなっています。91年録音。古典派の協奏曲。その中心はピアノ協奏曲でした。モーツァルトとベートーヴェン。古典のピアノ協奏曲は分野の中心となるものです。ハイドンの協奏曲作品は数多くあります。中でもピアノ、トランペット、チェロのための協奏曲はよく演奏されます。チェロ協奏曲も六曲書いたとされていますが、真作と判明しているのは二曲のみです。自筆譜が散逸していたり、真作としての決定的な決め手を欠くのです。鍵盤楽器はチェンバロからピアノへと移行していった時代。ピアノもまた現代の楽器とは異なります。通奏を担う楽器であったチェンバロからピアノへ。バッハが独奏楽器として協奏曲に据えたのは大胆な試みでした。古典の時代のピアノ協奏曲。音域も拡大し、音量も増大していくという敬意を経ることになります。バロック時代にヴァイオリン協奏曲は量産されました。編成も小規模で独奏楽器と合奏体は響きを対比することができました。古典になると編成も拡大します。モーツァルトの五曲にベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は分野としては重要です。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲にはかつての第六番、第七番といった作品がありました。真作を疑われ、現在ではほとんど取り上げられません。ハイドンのヴァイオリン協奏曲も同様の扱いです。ハイドンの協奏曲は真偽不確定の作品も多く、作曲したことは確実でも現存しないものもあります。協奏曲作家としては決定的なものを欠いていました。 モーツァルトは自身でピアノ協奏曲を演奏したり、弦楽器で室内楽に参加しています。独奏楽器としての楽器の性能、限界を熟知して可能性を引き出すことができました。ハイドンは演奏家としての技量も関係していました。ハイドンのヴァイオリン協奏曲は第一、三、四番の三曲が演奏可能なものです。目録から作曲したのは確実ですが、多くの疑問が残ります。ズッカーマンは録音も少ないこの分野にあえて挑みました。緩やかな叙情。知性ある音楽に、真作か否かはあまり問題になりません、むしろハイドンの名前を取り去り、誰が作曲家したことを想像するのも面白そうです。人気ブログランキング