テレマン/ターフェルムジーク
ラインハルト・ゲーベル指揮のムジカ・アンティクヮ・ケルン。98年録音。テレマンのターフェルムジークの全曲盤です。さまざまな編成のものをまとめていることでも知られるバッハのブランデンブルク協奏曲。ターフェルムジークは編成だけではなく極種も多彩なものとなっています。三集は管弦楽組曲、四重奏曲、協奏曲、トリオ・ソナタ、独奏ソナタ、終曲から成ります。盛り込まれた技法の多彩さでブランデンブルク協奏曲と比肩されることが多いのです。ムジカ・アンティクヮ・ケルンの86〜87年のブランデンブルク協奏曲は異例の速度で進む演奏として知られています。ブランデンブルク協奏曲には多くの録音があります。昔からターフェルムジークはテレマンのもっとも知られた楽曲でした。全曲録音の点数はブランデンブルク協奏曲よりも圧倒的に少ない。古楽アンサンブルであっても抜粋したものをとりあげることが多いのです。バッハと比べても圧倒的な作品の総量。例えば受難曲だけでも四十曲を超えます。作品の目録、全貌を録音で捉えることが難しい作曲家です。自ら作品の出版にも関わりました。作品の売り方にも長けていた。金銭感覚を持っていました。音楽を享受する層に望ましい音楽を提供する。ターフェルムジークは食卓の音楽です。文字通り、祝宴などの背後に流れる背景の音楽です。機会音楽であり、消費される音楽となっています。テレマン以外にも多くの作曲家がこの分野の音楽を書いています。ゲーベルもビーバーをはじめさまざまな作曲家の背景音楽をまとめたアルバムを制作していました。テレマンは楽譜を予約販売を通して売り出しました。その購入者の中にイギリスにいたヘンデルの名前も見られるのは有名な逸話です。ドイツだけではなくフランスにも購入者がいました。 ゲーベルの音楽はブランデンブルク協奏曲のような快速とは限りません。曲集は娯楽音楽というまとまりよりも、室内楽としても高品位な曲の集成として聞くことができます。アーノンクールや、ヒュンテラーといった時代楽器による合奏がテレマンの音楽を再び浮上させました。古いブリュッヘンがレオンハルトやビルスマと共演していた一枚はモダンによるノノでした。ゲーベルは以降もテレマンの音楽に向き合っています。人気ブログランキング