私は開場と開演の時刻を間違えて30分遅れて行った
ファンクラブ先行の一桁チケットは無駄となり、スピーカーの陰になるような上手隅に居場所を見つけた
そういうことなんだな、と思う
アイドルイベントが億劫になってきているのだ
喧騒に疲れ、それでも私が足を運ぶ理由
――それはただ一つ、そこに私のミルドレッド、馬越幸子がいるからである
今回のワンマン、まりにゃんの生誕で華やかに舞うサイリウム
その一方で突然の告知――れなしと にゃろが6月でユルリラポ脱退、そして れなしは芸能界引退
途中、おかしいな、とは思った
みんなの眼が潤んでいる
お化け屋敷でしか泣かない幸子の眼に涙、
これは嬉し涙じゃない……
私は思う
別れはいつか起きること
「今」がいつまでも続くわけじゃない
でも……
思いのほか早かったな
幸子から始まる私のアイドルオタ、そこで知り合ったファンの面々、やはり5才づつ歳を取っている
それは鏡の中の自分を見れば明らかだ
時は過ぎゆくのである
引退する れなしに伝えたいことがある
過去にもブログに書いたエピソード
↓
橋本聖子さんはスピードスケートのスペシャリスト。スケートを自転車に変えて夏のオリンピック、ロサンゼルス大会にも出場した(スケート⇔自転車は世界ではよくあること)
会場に駆けつけた聖子さんの母に、レポーターが群がる
「お母さん、楽しみですね!」
「はい……でも、転ばなければいいんですけど……」
結果は予選敗退
「お母さん、残念でしたね」
「はい……でも、転ばなくて良かった……」
母親が願うのは子供の『成功』ではない、子供が『無事』で『幸せ』になることだ
子供が成功を願うから、一緒に成功を願っているだけだ
そもそも、芸能界での『成功』とは、どんなレベルを指すのだろう
彼女たちはどんな夢を到達点に描いているのだろう
私には、そこが全く見えないのだ
その夢が余りに遠くて不遇をかこつなら、その人は今、焦躁の中――仏教でいうところの「修羅道」――にいる
こんな経験も良かったかも、と思えるなら、その人は幸運の中にいる――仏教の「日々是好日」――となるのだろう
私は幸子系、つまりpre-dia、DORive、ユルリラポのメンバーで、まだー人も『引退』の言葉を聞いていない
れなしが初めてとなる
いつか訪れることである
おそらく、これから何年かの内に、次々とそのニュースに触れることになるだろう
それは当然のこと、時の流れとはそういうものだ
ファンって何だろう
喧騒を好む人は、一旦落ち込んで、また次のアイドルに向かうのだろう
それが喧騒――おもちゃ探し――に過ぎないのなら、なんて虚しい活動だろう
だから
「違うよ!」と言いたい
れなしも にゃろも、侘しいファイミルの人生を彩ったんだ
消息の分からないコとして、私の頭にあるのは、與坂唯ちゃん
さっちゃんと仲良しで、一時期、prediaのメンバーでもあったコだ
さっちゃんに依れば、故郷の札幌に帰ったのではなく、まだ東京にいるらしい
どれほど前だろう、突然ツィッターに「元気だよ~」と書き込みがあった
そしてまた途絶えた
いつか、ファンであることが過去になったとしても
元気だよ~
元気じゃないんだよ……
落ち込んだりもしたけど、私は元気だよ!
そんな消息は知りたいな
と思うのである
なんだか、震えが止まらない
今、一人、焼き鳥屋で飲みながら書いている






