灰田勝彦『燦めく星座』(1940年)
♪
男純情の 愛の星の色
冴えて夜空にただ一つ
あふれる思い
春を呼んでは夢見ては
うれしく輝くよ
思い込んだら命がけ
男のこころ
燃える希望(のぞみ)だ 憧れだ
燦(きら)めく金の星~♪
通ぶっていうと、
生涯の友、デコちゃん(高峰秀子)の主演映画の挿入歌、ハイカツ(灰田勝彦)はこの曲でトップスターへの階段を駆け上がった
……などというのは、後付けのウンチク。
二十代の頃、ふと聴いて気に入った。
とにかく、日本語が格好いい!
23日、浅草カナリアホールに『東京大衆歌謡楽団』を聴きに行った。

初見は吉祥寺駅前での路上ライブ
2回目は川口の温泉施設の宴会場
今回ついに、落ち着いた会場で聴ける。
とはいえ、看板がなくて迷った。「待合室」の2階って?
伝法院通りをうろちょろ、結局、これは喫茶店の名前だった。
2階に上がると、丸テーブルと椅子。キャパは50人くらいか。
当然、客筋は……私たちで最年少?
でも、おばあちゃん達、下町浅草らしく、お洒落である。
今回の収穫は、この曲───
近江俊郎『山小屋の灯』
♪
黄昏(たそがれ)の灯(ともしび)は
ほのかに点(とも)りて
なつかしき山小舎(ごや)は
麓(ふもと)の小径(こみち)よ
想い出の窓に凭(よ)り
君を偲(しの)べば
風は過ぎし日の
歌をば囁(ささ)やくよ~♪
私が幼い頃、つまり40年以上前、家庭用の録音機はオープンリールだった。
庶民が初めて手にした録音機器である。
親戚が集まると、みんなでこのテープに歌や会話を録音した。
各家庭で録音したテープを送り合ったりもした。
兄は『忍者部隊月光』を歌い、私は『鉄人28号』を歌った。いとこは落語を吹き込んだ。
『山小屋の灯』は、まだ独身だった一番年少の叔母が歌っていた。
いい歌だな~、と子供心に思った。誰の何て歌かは知らなかった。
今回聴いて、あっ、と思った。
この歌、シベリア抑留者が作った曲だとか。
過酷な抑留生活の中で作者が命の糧として抱いた郷愁なのだろう。
私はこの種の歌を、懐古趣味とかの雑念を取り除いて、単純に美しい歌だと感じる。
何より、日本語の情緒が素晴らしい。
この日の本編ラストの曲は、これまた待ってました!
おおたか静流さんもカバーした名曲。
歌い手は、思い入れたっぷりにシナをつけて歌う必要はない。
ただ、朗々と歌うがよろしい。
情緒は、曲そのものにしっかり味付けされている───
菅原都々子『月がとっても青いから』
♪
月がとっても 青いから
遠廻りして 帰ろう
あの鈴懸の 並木路(じ)は
想い出の 小径よ
腕を優しく 組み合って
二人っきりで サ、帰ろう
月の雫に 濡れながら
遠廻りして 帰ろう
ふとゆきずりに 知り合った
想い出の この径
夢をいとしく 抱きしめて
二人っきりで サ、帰ろう
月もあんなに うるむから
遠廻りして 帰ろう
もう今日かぎり 逢えぬとも
想い出は 捨てずに
君と誓った 並木みち
二人っきりで サ、帰ろう~♪
この曲を聴くと、胸の奥が凛々と共鳴する。
ああ、よくぞ日本に生まれけり!
東京大衆歌謡楽団は、9月13日に柴又駅前で路上ライブをするらしい。
原点に戻って、これも聴きに行こうかな……

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