冬のLoveLand~山下達郎 | 空はどこから/猫の長靴

空はどこから/猫の長靴

日記は苦手だけど、何があって何を思ったのか、あんまり分からなくなるのもねぇ(´Д`)
だからちょっとだけ、記録を残します。

海は赤いと思っていた!

中学か高校の国語の副読本に載ってた詩の一節である。

詳細は覚えていないが、
…幼児の頃、おもちゃの『赤い』ダルマを舐めた。
それが塩辛かった。
だからまだ見ぬ『海』というものは、赤いのだと思っていた
…というもの。


詩人ってのは「感性」と「言葉」の間で格闘するものだから、こんな表現も出てくるんだろうね。
実際、「桜は青です」と言う詩人には会ったことがある。


感性が一般常識とブレる、
という体験で思い出すのは
山下達郎さんの曲「LoveLand Island」



コマーシャルソングにもなっていた。
陽炎の立つ真夏のカフェ。
石畳の歩道でポニーテールの女性が激しいステップで踊る。
気だるい夏の午後の幻影──

ところがこの曲、私のイメージは晩冬の石狩浜、しかも吹雪の風景なのである。

10代の頃、下宿暮らしをしてる私を、実家住まいの友人が父親の車を持ち出し、ドライブに誘った。
どこに行く目的もなかったから、取りあえず海に向かった。

吹雪、そして鉛色の空。

みぞれ雪がびちゃびちゃとフロントガラスを叩きつけ、ワイパーが激しく動いて掻き分ける──

カーステレオからエンドレスで流れていた曲が『LoveLand Island』

一人暮らしをして、最初に出来た友人で、気のいい奴だった。
二年くらい仲良く付き合って、進路が分かれて疎遠になった。

ひとり暮らしをして、まずタバコを吸い始めた。
当時、1mgの「カレント」というタバコを立て続けに3本吸ったら、めまいで真っ直ぐ歩けなかった。

アルコールは手当たり次第、何でも飲んだ。
「不味いから飲めない」などは酒飲みの風上にもおけない、と思っていた。
でもただ一つ、合成清酒だけは、口の中がベタベタして、どうにも不味かった。



山下達郎さんの曲でもう一つ思い出すのは『パレード』

「俺たちひょうきん族」のエンディングテーマだった。
達郎さんの澄んだ歌声と、ひょうきん族のおちゃらけシーンのカットバック。

本来パレードの高揚感を歌った曲なのに、私のイメージでは「祭のあと」の侘びしさと結びついている。
ああ、今週もひょうきん族が終わっちまった。あとは何をしようか…

土曜の夜に下宿でひとり。タバコと安酒に浸っている。

そういえば、当時私のポータブルTVは白黒だった。

侘びしい青春だったなぁ。
でも、若かったからね。
「暗い青春」を愉しんでいた。



今、妻は地元に戻っている。
老父はすでに意識がない。
死の知らせが入り次第、札幌に飛ばなくてはならない。

何とか5月3日は外してくれるように、と勝手なことを祈っている。

それにしてもこのGW、バカバカしいほど陽気がいい。



達郎ファンには申し訳ないが、山下達郎さんの曲は私の青春期の憂鬱と結びついている。

今、家でひとり、達郎さんのベストアルバムを聴いている。

初夏の午後は、気だるい──








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