第12話「マッシュ・バンデッドと魔法の鏡」

七魔牙(マギアルプス)のトップ、人形遣いの魔術師アベル・ウォーカーと対峙し、

持ち前の筋力で打倒したマッシュ・バンデッド。祝勝ムードも束の間、アベルは裏社会で暗躍する闇魔法組織「イノセント・ゼロ」のイーストン魔法学校での「さがしもの」なる目的に加担させられていたことが判明。敗北して用済みとなったアベルを殺すため、イノセントゼロの手先は学校を訪れる。

既に手負いのアベルがセル・ウォーによって始末されんとする場面、マギアルプスのメンバーでアベルの右腕的存在のアビス・レイザーが彼を庇い、深手を負ってしまう。緊張感なく静観していたマッシュもセル・ウォーとの一騎打ちに臨む。。。

 

「私たちは、たまたま恵まれて生まれてきたのよ。出自も才能も容姿も、全部偶然。だからねアベル、相手の立場になって考えるようになりなさい。そうすれば、少しだけ、人にやさしくなれるのよ。」

 

 

 

 

 

「強い物が弱い物から奪うのは当然の権利。そして、強者に抗うのもまた、弱者の当然の権利だ。」

 

「確かめるんだ、何が正しいのかを。僕自身の手でな。」

 

 

 

 

 

か、かっかええええええ!!!王道も王道。打ち倒したかつての敵と共闘してさらに強大な敵に立ち向かう展開!なんぼいうても激熱だよね。熱くならざるを得ないよね。声出ちゃったもんね(youtubeコメ欄によくいるなんかキモくて眉を顰めるコメント)。アベルはレアン寮生の気質を体現したような才能&自尊心オーバーフロー選民思想入っちゃってる系男子。これには幼少期の体験が深くかかわっていて、貴族階級ながら自らを鼻に掛けず貧富の隔てなく接する人格者だった母親が、世を憎んだ庶民のひとりによって殺された事件が彼を歪めてしまった。それ以来、「才能や実力がない者は何もかもが劣る救いようのない生まれついての敗北者で、自分のような才能ある一部の強者が彼らを支配、管理してこそ正しい社会は実現される」という具合に思想を固めていた。まあ無理もない。セル・ウォーに殺されかけている時点ではこのスタンスは変わっておらず、一切の抵抗を見せなかった。この諦観の構えは、相手に勝てないと分かり切っているのと同時に、自分がしてきたように強者にねじ伏せられることを道理として受け入れているからであろう。そんな彼が、捨て身で自分を守ろうとしたアビス・レイザーやマッシュの言動によって徐々に揺さぶられていく。母親の言葉も頭によぎる。

自分の願いはなんだったか。大衆を貶めて支配することか。世界を変えることか。ちがう。大切な人を失いたくなかっただけじゃないか。偶然。。地位や才能や容姿。持って生まれたすべての資質は理由ある必然ではない。たまたま、運よく皆が羨むようなステータスを手にするのと全く同様に、たまたま運悪く自分と世界を呪いかねないような境遇に身を置くこともある。(恵まれていないあの子と恵まれている私とでは何も変わらない。時間軸が違えばあの子は私で、私があの子だったかもしれない。)そこに絶対的な優劣など存在しない。とすれば、そういう彼らを見下し同じ地平で扱わない正当な理由などあるだろうか?いや、ない。(反語)そして、自分にとって大切な母がいたように、みな1人1人に大切な人や守りたいものがある。今、自分が守りたいものは何だ?・・・・こんな心境の変化があったんだと思う。

そこからの百式観音壱の手ガードである。「確かめるんだ、何が正しいのかを。僕自身の「手」でな(キリッ」手をかざしつつ人形の手で守る。くうう、かっけえってなるよね!

 

 

 

 

 

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