脊椎(せきつい)動物で血液循環が始まる仕組みを、瀬原淳子・京都大教授(発生生物学)らが解明した。血流が始まる端緒は心臓の拍動ではなく、血管の内壁につながった赤血球が、はさみ役の酵素で切られ、流れ出すという。この酵素は人の血液細胞に存在し、脳梗塞(こうそく)など血栓症の予防や治療に役立つ可能性がある。3日付の米科学誌カレント・バイオロジー(電子版)で発表した。

 研究チームはゼブラフィッシュの受精卵を使い、赤血球の循環が始まる様子を世界で初めて撮影した。それによると、血管の外で作られた赤血球は血管内に移動して内壁に接着。血液を全身に送り出すポンプとなる心臓の拍動が始まっても1時間以上もとどまった後、一気に流れ出すことが分かった。

 また、赤血球を血管内壁と接着させるたんぱく質を分解する酵素「ADAM8」が働かないように操作すると、赤血球はいつまでも血管内にとどまった。将来、ADAM8の働きをあらかじめ調べたり、制御できれば血栓が生じるのを予測したり、防ぐことも期待できるという。

 瀬原教授は「血液循環の始まりは心臓の拍動という受け身な要素が大きいと考えられていた。赤血球が血管の状態を察知して、循環を始める時期を決めているのではないか」と話す。【八田浩輔】

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 東京都新宿区で07年、不動産会社社長を殺害したとして殺人罪などに問われた会社役員、篠沢大介被告(38)の控訴審判決で、東京高裁は27日、懲役20年とした1審・東京地裁判決(09年7月)を破棄し、審理を地裁に差し戻した。阿部文洋裁判長は、弁護側が請求した関係者の証人尋問を公判前整理手続きで却下した1審の手続きを批判し「判決に影響を与えるもので、審理が尽くされていない」と述べた。

 弁護側は公判前整理手続きで、篠沢被告が共犯者を通じて同僚だった冨田威裕さん(当時29歳)の殺害の手配を依頼したとされる暴力団関係者の証人尋問を請求したが、却下された。高裁判決は、この手続きを批判。さらに、法廷で証言を拒否した別の共犯者の捜査段階の供述調書を証拠採用した点は、刑事訴訟法が定めた手続きに反すると判断した。

 暴力団関係者は捜査段階で「殺害手配の依頼を受けていない」と供述していたといい、主任弁護人の高橋俊彦弁護士は「拙速な1審の訴訟指揮に一石を投じた」と評価している。

 篠沢被告は公判で全面否認したが、1審判決は、共犯者3人の供述を基に共謀を認定した。【伊藤直孝】

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