先日の生配信でけいちょんがマジギレし、マッキーにマジ蹴りをした件について(「マジギレけいちょん」参照)、コメント欄では「マッキーに謝れ」「謝罪動画を出せ」というようなコメントがいくつかあった。そして謝罪をしないことと『けェス』のやり過ぎに視聴者がしびれを切らしたことなどでコメント欄の炎上は続き、理由は不明だが2023年8月25日は配信がされなかった。
個人的な意見で言うと、謝罪すべきかどうかは微妙なところで、あのマジギレは不快な映像ではあったが、基本的にはやられた側のマッキーが特に言挙げしていないのであれば別に視聴者がむやみに干渉する必要はないと思う。ただ、あれだけ視聴者がけいちょんに怒ったので、「けいちょんがマッキーに謝罪しなければ収集がつかない」という印象もある。
そこで、自分は「けいちょんがマッキーに謝罪しなければならないという状況を利用した面白い動画を作って欲しい」とする。お笑い芸人がマジ謝罪しているのは、見ていていたたまれない部分がある。不祥事で謝罪するお笑い芸人のマジ謝罪動画を見たことある人も多いだろうが、「もう謝らなくていいから面白いことやってくれ」という気分になるのだ。
話を2015年に遡らせるが、けいちょんは極楽とんぼ・山本圭壱として復帰し、同年5月には宮崎サンシャインFMで『極楽とんぼ 山本圭壱のいよいよですよ。』という番組が開始し、放送されたことでメディア復帰となった。その放送を聞いて怒った人がいるのだ。それがめちゃイケのカメラマンとして知られる辻カメラマンだ。辻カメラマンが怒った原因も、簡単に言えば謝罪をしなかった山本圭壱が原因だった。以下、記事より引用。
「めちゃイケ」辻カメラマン、極楽・山本に苦言「ケジメなかった」― スポニチ Sponichi Annex 芸能
番組を聴いた辻カメラマンは「これまでの9年間についての気持ちとか謝罪とか、我々が聞きたいような内容のコメントは一切なかった。いつ出るかいつ出るかと思いながら1時間が過ぎた。(相方の)加藤浩次にも(山本が出演していた)めちゃイケメンバーやめちゃイケスタッフに対しても何も気持ちを伝えてくれなかった。それだけに個人的には非常に気持ちが悪かった」と率直な感想。
「第1回放送だからこそ、そのあたりのケジメを短くてもイイから最初にしっかり付けてから弾けてほしかった」と苦言。ツイッターでも「しっかりしろ!という気持ちです」とカツを入れた。
5日の生放送で、山本は宮崎でラジオをやるに至った経緯を説明する中で「06年のことがありまして」と話しただけだった。
辻カメラマンは番組の内容についても「ただ、何もなかったかのように普通に芸人の新番組が始まっただけ。面白いか面白くないかで言うなら、全然面白くない…と思いましたね。僕は厳し過ぎるのか…」と酷評。「面倒なことでも避けてはいけないことがあるし、下げなきゃいけない頭もあると思う」と持論を展開した。
ただ「当然、彼の笑いの才能やセンスは認めているし、信頼もしているし、何といっても、極楽とんぼ山本圭一との歴史に僕は誇りに思っています。芸人山本が大好きです」とも。「だからこそ、そういう意味でも男らしさを見せてほしかった。この放送を聞いて、ちょっとガッカリしました」と落胆した。
この辻カメラマンの気持ちと、コメント欄で批判していた視聴者の気持ちは時を越えてもなお同質のものだろう。この辻カメラマンの発言は、見方によっては山本圭壱の復帰に水を差すものであったという意見もわかる。そしてこの時、山本圭壱を擁護したのがなんとマッコイ斉藤なのだ。
カメラマンとは基本 演出がどんな画を撮りたいか、どんな画が面白いが考えるのが本質であって、タレントのあり方にしのごの言う立場にない!こう言う言動が山さんの活躍の足を引っ張ってるとキズかないといけない!
— マッコイ斉藤 (@MACCOI_SAITO) May 6, 2015
当時のマッコイ斉藤は気持ち的には山本圭壱の復帰を喜び、支えようと思っていたのだろう。しかし、最近のマッコイ斉藤の言動からすると、やはり辻カメラマンの言い分は相当正しかったと言うほかないのではないだろうか。そしてめちゃイケの例の復帰の回でも、「山本圭壱は謝れない男である」という印象を強めるシーンがあった。
めちゃイケで極楽とんぼ山本圭壱(山本圭一)が復活。加藤「もう一回やりてえんだよ俺」
岡村「ほんで今日、めちゃイケが来てくれた、ありがとう待ってました、よっしゃー!…そのための山本さんのその気持ち、あの時は申し訳ない、なんとかまだやりたいねや、これからやっていきたいねや、反省してます、っていうのはこの10年間やっぱり全然誰も見れなかったんじゃない?」
山本「やっぱり何が一番良いかって言ったら、落ち込んでる顔とか、なんかもう、へこたれてる顔よりは、満面の笑みかなって俺はいつも思ってたんです。それは間違いかも知れないよ?」
岡村「それは自分の中でそう思てるだけであって、10年間会わんかって、あの事件があって、誰かと会った時に、満面の笑みで、あ、どーもー!って言われたら、え…どういうこと?ってやっぱなる…よ?」
山本「だけどずっとそれを考えてしまっていた、ことは事実…」
岡村「そんな、何の意味もない強がりはいらないと思う。あんだけのことがあったんやから、それは間違った解釈やと思う。そんな山本圭一をみんな見たいんやないと思う。それはこっからいろいろあなたがどうやって起き上がってきて、笑えない人たちを笑かしていくのか、ということであって、迷惑かけた方々に満面の笑みでっていうそんな強がりはいらないと思う。ちゃんとしっかり頭下げてすいませんでしたって、やっぱり言わなアカンと思う。そら10年かかりますよ、下手すりゃもっとかかったかも分からないし、今日ね、もうほんだら言いますけど、これをやるために、どれだけの人たちが、いろんな人たちに頭を下げて、ここまでやってもらってるかっていうのは多分、山さんにはわからないと思う」
山本「申し訳ございませんでした。ホントに申し訳ございません」
岡村「加藤浩次もどんな気持ちでこの日迎えているかっていうのはもう、山本圭一をこうやって、ここに呼ぶために、頭下げたのは、ここにいるスタッフの方であり、加藤浩次であるという…それでよし来たか、ありがとうそれだけではやっぱり皆の気持ちが、え?っていう、だからこう、最初出てきた時に、え?ってやっぱりちょっと思ったし、」
光浦「もう、情けなくて…情けなくてずっと泣いてます、もう、なんか悲しくて情けないもう、山さんの話を聞いてると、山さんは自分が一番大事なんだよ」
加藤「お前よう、野球場で歩いてきて、第一声、すいませんでしただろう?わかれやもう!照れ隠しでなんでヘラヘラしてんだよ!コレ逃したらなんにもねえだよ俺ら!終わりだぞ!このチャンス、この場を与えてくれたスタッフとかお前演者とかみんなによお!悪いって気持ちねーのか!」
あれから約7年が過ぎたが、残念ながら根本的な性格は変わっていないのだ。「Honesty=誠実さ」でも述べた通り、「お笑い芸人は何から何までふざけていればいいわけではない。ときに誠実さ(Honesty)、本気な想いを見せなければならないときがある」ということがどうしても伝わらないというか、どうしても誠実になれない、本気な想いを見せられないんだろうと思う。
いまは光浦の言う「なんか悲しくて情けない」そういう気分であるとしか言えない…。