馬の兄弟関係。 | ぽっぽやいそじの「ひとりっぷダイアリー」

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土曜日に中山で行われたオーシャンSに、2組の兄弟馬が出走していたのはお気づきになりましたか?片方はキングハートとラブカンプー(母ラブハート)、もう片方はダイメイプリンセスとダイメイフジ(母ダイメイダーク)です。

今まで何度か書いて来ましたが、馬の兄弟関係は母馬が同じときのみ兄弟と呼ばれます。前出の2組も母馬は同じですが、父はそれぞれで違っており、キングハートはオレハマッテルゼに対しラブカンプーはショウナンカンプ、ダイメイプリンセスはキングヘイローに対しダイメイフジはアグネスデジタルとなっています。このように母馬が同じで父馬が異なるケースを半兄弟、父馬も同じであれば全兄弟と呼びます。

馬の血統構成は母系(牝系)が基本になるので、父馬が同じであっても母馬が異なれば兄弟とは呼ばれません(人気の種牡馬ディープインパクトなどは年に100頭単位で産駒が誕生していますので、それら全てを兄弟として扱ったら大変なことになります)。具体的にはショウナンカンプ産駒としてラブカンプーの他にナリタスターワンも出走していましたが、この2頭は兄弟とはされません。ただしファミリーライン(母系・牝系)に対しサイアーライン(父系)という概念もあり、親子関係としての記録(重賞・G1制覇など)にこちらを使用することはありえます。

競走馬もご多聞に漏れず父と母がそろって初めて生まれるものなので、実績のある馬同士が掛け合わされて優秀な子供(産駒)を作り出そうとして来ました。そのため血統が非常に重視されていて、自身には大した実績がないにもかかわらず兄弟にG1ホースがいるということで繁殖入りできたケースも少なくなく、その結果自分自身にもG1レースを制した産駒が出たケースもあります(キタサンブラックを出したブラックタイド(=ディープインパクトの全兄)が好例ですね)。

競馬はブラッドスポーツとも言われますが、現役時の実績が必ずしも反映されないのが血統であり、その辺りが動物遺伝の不思議なところでもあるのです。