味の素さんのFY23のROEが11.0%、FY24業績予想12%
どう考えても、FY25計画の15%にはほど遠い(5割増)ような気がしています。
ROEを向上させる方法としては、
純利益を上昇させるか、純資産を減少させるかのどちらか、あるいはその組み合わせになります。
<純利益>
EBITDAマージン=(営業利益+減価償却費戻し入れ)/売上高
FY23では15.7%、FY24業績予想16%、FY25計画17%です。
味の素さんは金融収益・費用の影響が少なく、
業績予想・計画に特別利益は考慮しないでしょう
から、
純利益増加への寄与はせいぜい1割くらいでしょう。
また、オーガニック成長率は、
FY23では1.7%、FY24業績予想7%、FY25計画5%です。
味の素さんはディフェンシブ銘柄なので、
業績予想・計画において為替・原材料価格の変動はそれほど考慮しないでしょうから、
純利益の増加への寄与はせいぜい1割くらいでしょう。
したがって、純利益はせいぜい2割くらいの改善しか見込めません。
<純資産>
純資産を減らすのは、自社株買いしかありません。
純利益の改善がせいぜい2割なので、
純資産を2割程度減少させる必要があります。
味の素さんの純資産は約9,000億円ですから、
2割の自社株購入で必要な現金及び現金同等物は1,800億円であり、
現金及び現金同等物が1,700億円しかないので、
ほぼ全部自社株買いに充てるということですかね。
数値遊びと言われればそれまでですが、
計画策定当初から色々と置かれている状況が違うとはいえ、
もう少し現実的な計画であって欲しいなぁと思います。
そうでないと、どうしても無理をしがち、あるいは無理を求めてしまうことになり、
かえって無理をした代償の方が高く付いてしまうからです。
あるいは、未来への投資と成長を求める余り、
適切な販管費管理や事業管理が出来なくなってしまうことを心配しています。
<<蛇足>>
今回のプレゼンテーションでも、
「成長実現に向けた無形資産への投資」と枠の中にマーケティング投資とR&D投資で▲120億円はありますが、
販管費がどうやって▲291億円になっているのかが重要だと思うんですよね。
結局は国内の原材料・製造コスト増や海外の販管費増、ヘルスケア等事業から生じているのでしょうけど。
また、Forgeも除くとしていますが、
買収を昨日今日担当役員の思いつきで実行したわけではなく、
その暫く前から計画されていて、経営されているので、
なんかだかなぁと感じがするんですよね。
未来も大事だけど、未来・未来を見過ぎているために、
販管費の管理や事業管理が甘くなっていないか、足元をキッチリしていくことが大事なんじゃないかと私は思います。
まぁ、私が偉そうなことを言えた義理はないですよね。
失礼致しました。