新たに館の主となった「獣」と館を訪れた人々が巻き込まれる悲劇の物語でした。ホラー版美女と野獣みたいな感じ?
ふと「火の鳥 鳳凰編」を思い出しました。己を獣だと思い込んだ男が横暴のかぎりをつくす一方、ただ一人の女だけが寄り添う感じとかね。その女すら信じきれずに疑心暗鬼になる浅ましさたるやね、なんともいいがたい。
さらにもう一人、失踪した恋人を待ち続けるポーリーンのお話しも重かった。彼女を健気だと思うか頭お花畑と思うかで話のオチに対する見方も変わりそう。
私は後者だったので、ポーリーンは自業自得だなって思いました。
なんというか第1章のメルと同じなのよ。「私はこうしたい」とかまず自分の願望ありきで全てが語られるからかなり自分本位な人だなあって印象。
今の時代でもPTSDとかへの理解ってやっぱり難しいと思うけど、恋人だからって相手の領域に土足でずかずか入り込む感じがひたすらデリカシーない感じで嫌だなあって。
心が傷ついてる人との対話や接し方ってやっぱり難しいですからね。
ポーリーンにできたことは恋人の存命を確認することだけでした。彼をすっぱりと諦めてハビと共に故郷に帰ることだけだったんじゃないかな。別の幸せを見出した方がお互いのためだったと思う。
思い余って越えてはいけない一線を越えてしまって残念でした。
聞き分けのない女との約束なんて意味をなさないし、ポーリーンの身を案じて獣の所在を教えないハビに対して「意地悪」とかいう幼稚な彼女に獣の所在を教えたのがハビの過ちですね。
感情が暴走して大事な選択を間違えてしまうって人生ではありがちだけど、取り返しがつかないこともあるんだって学びが大事なんだろうな。