私達はそうやってこれからもずっと仮面夫婦を続けて行くしかないのだろうか?これが私の望んだ幸せ?でも私には不幸だと言い切ることもできなかった。だってこの国には親もなく温かな寝床も食べ物すらありつけない子供たちが溢れているのだから。

 

 

私だってもし店主様に出会えなければ助からなかっただろう。それに比べたら今の生活は夢のようだった。

 

 

婚姻だってそうだわ。この国ではほとんどの娘たちが親の決めた許嫁と婚姻する。王であるライザール様ですら政略結婚だった。だからもとより恋愛なんて物語の中でしかありえないと思っていた。先ほど聞いたお話しのようにね。

 

 

カマルにだって踊り子たちと一夜の火遊びをする男達はいたけれど、それは恋愛なんて甘いものではなくただの憂さ晴らしでしかなかった。もちろん舞妖妃の私に言い寄る男達もいたけれど、相手にすることもなかったわ。

 

 

だから私はじゅうぶん幸せなのだろう。慕う方に身も心も捧げることができたのだから。・・・ライザール様の側にいられるだけでよかったのだ。

 

 

たとえあの方が私を想ってくださらなくても・・・