ライザール様がどう思われているかは知りようがない。アリ家の支持を得るために娶った私をライザール様なりに儀礼的に接してくださっているのはわかっていた。

 

 

けっして無関心というわけではない。あの方は十分気遣ってくださっているわ

 

 

それでも漠然と物たりなさを感じてしまうのは求めすぎなのかもしれない。王妃という立場である以上泰然としていなければならなかった。私の一挙手一投足を見て粗探しされることにも慣れなくては・・

 

 

考えていた以上に王族というのは大変だった。市井にいた時にはわからなかったことだった。もちろん私は密偵として仕事で様々な高貴な方達と交流していたから裏事情はある程度理解していたけれど。

 

 

まさか王妃になるなんて想定外だった身分制度の厳しいシャナーサ王宮で王妃になれる身分の女は限られていたが権力に群がりたい貴族たちの思惑もありライザール王には多くの婚約者候補がいたようだ。少しだけ嫉妬を感じてしまうわ。

 

 

その中からアリ家のレイラ様が選ばれたのだという。一度も顔を合わせたこともない女性をだ。そのことを不満に感じて婚約を拒んだレイラ様は早々に別の方と駆け落ちしてしまい、慌てたアリ家の主ターヒル様が身代わりを求めてカマルを訪れ密偵の私に白羽の矢立った。