だけどこの時の私はひどく動揺していてそれどころではなかった。
夢だったとしても知りたくなかったこと・・それは私の夫となったライザール様が本物の王ではないという衝撃の事実だった。
―――まさか!!
そんなことが起きるなんて・・・これは夢なんだしきっとなにかの間違いだわ・・早く目覚めないと!!
そう心の中で願った瞬間、私は一瞬で悪夢から目覚めたのだった。目を覚ますとそこは王の寝台でまだ夜明け前だった。反射的に隣りを見るとまだライザール様は眠っておられるようだった。
よかった・・戻ってこられたのね。あんな悪夢を見るなんて・・妙に生々しい夢だったからまだ胸がざわついていた。
あれは夢だったのだからとなんとか心を落ち着けた私は、ライザール様の寝顔を見守る。
この方が王でないなんてあるはずない。在位9年で傾いた王国を建て直した立派な方だわ
夢が根拠だなんて我ながらどうかしていた。