ずいぶん強引ね・・・私に拒否する権利はない?
すると店主はくすくすと笑いながら言った。
「なにか誤解があるようですが・・そもそも、望みがない者には初めからこの店を見つけることはできないのですよ・・」
――え?
私の望みに応じてこの店は姿を現したとでもいうつもり?
ロサンヨークだって都会だったけど、暖かい街から冬が厳しい街に来てしまってから慌ただしい毎日に追われる日々だった。
親しい友人もいなくて、仕事以外の話をすることもなくて
・・雑談すらなかった。
カフェでもいつも一人だった・・・だからふとした瞬間にこの店を見つけて面白そうだって興味を持った。
――でもいつからこの店があったかはわからない
・・・なら本当に?
「そして貴女は自ら駒を手に取った。貴女が望めば極上のロマンスを叶えることもできますよ。さあ選んでいただきましょうか、どちらのヒロインにするか」
――!
商品を買ったわけでもないのに理不尽だったが、店主は帰す気はなさそうだった。
ここは覚悟を決めるしかないかも。
「仮面夫婦の妻」と「略奪愛の愛人」か・・どちらか・・
先ほど店主は不幸な結末だと言った。
せめてそこだけは確認しなければ
「ちょっと待って。さっき不幸な結末って言ったでしょう?どういうことか教えてよ」
オチを知った上でないと恋愛どころじゃない。
ミステリーならご法度だったが店主はあっさりと教えてくれた。
「いいでしょう、貴女との駆引きは楽しいからお教えしますよ。王妃は不貞が露見して処刑、愛人は王妃の刺客に暗
されますが・・どちらも子を成すことはできますよ」
――そんな!!
店主の話通りなら予測はつく。王妃は不倫相手の子を、愛人は王の子をということね。
なんだかドラマチックな展開すぎるわ・・まだ独身の私には刺激的すぎるかも