恋愛物語のヒロインは王子たちに愛を捧げられるモテモテの存在だけど・・
羨ましいと思ったことはない。
だっていつも好きになるのはたった一人だもの・・
己の性癖は簡単には変えられない
だからどちらを愛するにせよ良心に従い愛を全うできればいい
メリットもデメリットも十分理解できた
いよいよどちらの立場を選ぶのか選択する時だった
→「仮面夫婦の妻」を選ぶ
これは思いきった決断だったかもしれない。
最初から冷めきった夫婦仲だなんて・・どんな男なんだろうと思う反面、愛人とは愛を育んでいるからまったく情のない男というわけでもないだろう
性格の不一致・・価値観の相違・・夫婦がすれ違う理由なんていくつもあるんでしょうね。
「そちらで構わないのかい?なかなか良い選択だと思う・・まあトゥルーエンドを目指すなら断然そちらが有利だろう」
あら、そんな大事な情報後だしするなんてなかなか良い性格だわ
「ヒロインがどんな女性なのかはわからないし・・どうせなら立場が安定してるほうがいいかなって思っただけよ」
王朝もので愛人なんて・・考えなくたって大変だってわかるわ
幸い一夫多妻ではないみたいだし、王妃の方が断然有利なはず
「うんうん・・なかなか良い選択だ。ではここに署名を・・・」
調子を合わせる店主が差し出したのは一枚の羊皮紙だった。
どうやら契約書らしい・・ゲームなのにデフォルトの名前はないようだ。
「名前には力がある・・本名を記名することをお勧めするよ」
個人情報も駄々洩れね・・まあいいわ
受け取った羽ペンで名前を書く・・羊皮紙にインクの染みなんかつけないように慎重に書かないと・・マリーアントワネットみたいな悲劇な王妃は勘弁願いたいわ。電子決済が増えたとはいえいまだにサインをする機会は多いからカリグラフィー講座受けていたのがこんなところで役に立つなんてね。
シリーン・・・
名前を記入した途端、私はゲームの世界に飛ばされてしまったようだ。