婚姻というよりすっかり旅気分でグルメや観光スポットをチェックしてしまったが、この後王と面会する予定だった。
やだ今更だけどドキドキしてきたわ・・
いきなり失恋した上旅がなかなか過酷だったからすっかり忘れていたけど・・
これって恋愛ゲームじゃなかった・・?
そうでした・・
ほらゲームってテンポよく進んで退屈しないようにできてるじゃない?
今のところ干渉が最小限だから目まぐるしく月日が経ってる感覚はあったが、シンクロ率が高まりよりリアルに近づけば使づくほど、現実の時間の感覚と同等になってしまうのだと店主は言っていた。
だけど失恋で傷心中の姫にとってはどちらも大差ないのかも。
私自身珍しさにかまけて忘れていたんだけど・・・ただでさえ存在感が希薄な姫のことを忘れていたのもしかたないのかもしれない。
なぜなら「私」は最高潮に気乗りしない様子だったからだ。
恋愛結婚じゃなくて政略結婚だし気持ちはわからなくはない。
私だって女だもの・・そりゃあね
だけどこの調子だと先が思いやられるわ。
「仮面夫婦」になるかどうかは私次第だって店主も言っていたじゃない
ここは上手く主導権を握らないと!
ヴィンス殿下がどんな方だったのか確かめてから選べばいいなんて悠長なことは言ってられそうもなかった。
初夜は二日後だった
ヴィンス殿下はともかく、ライザール様へは早急に対応しなくてはならない。
それは文字通り今後の運命を決めるからだ。
より良い関係を築かなくては・・裏切りの末待つのは処刑だなんて・・!
アン・ブーリンやメアリー・スチュワートになる気は毛頭起きなかった。
あいにくと悲恋を楽しむ趣味は持ち合わせていない。
結局他人ごとだから割り切れても、追体験しなければならないならば誰だって我が身を可愛く思うだろう。
とりあえず長旅の疲れを癒すために湯あみをすることになり大浴場へと移動することになった。
国からついてきた侍女達は皆一様に驚いた反応を見せた。
プールより広い湯舟を砂漠の国で見たらそりゃあ驚くわよね。
思ったよりも技術力のある国なのだろう。