『・・・あ・・・・取り乱してしまいました。あまりにも豪華な衣装で驚いただけですから。では着せてください』

 

とりあえず無難に譲歩すると女官長は勝ち誇った笑みを浮かべたまま侍女を促した。

 

もう女同士のマウントをとりにくるなんて・・怖いわねあせる

 

姫の体形は私より華奢だから胸元が少しだけ寂しい。

シンクロ率が上がれば肉体そのものは姫がベースのままだけど私自身の体形や身体機能も反映されるのですって。

 

「私に似て非なる女」から限りなく「私自身」になるみたい。

ゲームだけに修正アプデが更新されたって状態になるって言った方がいいかしら。

 

周囲も状況に合わせて「私」へのイメージが刷新されるみたいね。

 

どっちが王のお好みかはわからないけど・・この強気な衣装が標準ならまあそういうことでしょうね。

 

堂々と着こなさないと決まらないのがこの衣装なんだけど。

コルセットのせいか姫の腰はかなり細すぎるようだ。

 

食も細いみたいだし太ることを極端に恐れているのかもしれないわ。

 

食べたら運動すればいいだけなんだけど、姫じゃそうもいかないんでしょうね。

 

シャナーサについたら美味しい食事が出るんじゃないかって楽しみなのに・・

 

干渉した時だけ「味覚」は私も感じることができるのはありがたかった。

 

肝心の衣装はといえば上等の綿で着心地はすばらしいものだった。

 

ただ昼間は暑いし夜は寒いから注意が必要かもしれないわ。

 

さらに侍女の話ではライザール王は進歩的な方なので同伴する状況もありうるということだった。

 

その時はさすがにこの衣装ではないようだけど。シーンに合わせたTPOって大事だし。

 

これらの衣装はすべてライザール様の厚意とのことだった。

 

服だけじゃなくて揃いの宝石類や小物もね。

なかなか粋な計らいじゃない。

 

つまり求められているのは王である彼に恥をかかせない同伴者としての立ち居振る舞いや品格なのだろう。

 

対等のボーイフレンドとディナーをしたことはあっても、ここまで至れり尽くせりなのは初めてだった。

 

考えてみれば「彼氏好み」の趣味に合わせたことないから新鮮な気もするわね。なにせ相手は本物の王様だから失敗はしたくないもの。

 

やはりライザール様もこの結婚には期待をよせているのだろう。

 

もちろん政略結婚だから隣国の手前というのもあるんでしょうけど・・・

 

婚約者として王と面会した後は、披露宴を行うらしい。