きっと豪華なディナーなんでしょうね・・・別にお腹がすくわけじゃないけど・・

 

姫が乗り気でないならいっそのこと私が出た方がいいかしら・・?

 

でも待って、姫だって婚姻のための覚悟はついてるわけだし、ここはひとまず様子を見た方がいいかも。

 

まあ・・・ライザール様がどんな感じの方なのか会ってから決めても遅くないわね。

 

出会いが肝心だとは思ってみても、あまりシンクロ率をあげすぎるのはやっぱり不安だった。

 

我ながら面倒な事態に巻き込まれてしまった気がするわ・・

結局のところ安全な場所から素敵な恋愛を空想していただけの私にとってはリアルな恋愛なんてとんでもなくご無沙汰なことでしかなかった。

 

恋愛と婚姻は別物っていうし・・・不安があるのはしかたなかった。

財産や血統を守るために身分の釣り合う相手と婚姻して、愛人を持つのが王侯貴族ってイメージあるわよね。

庶民には理解しがたいけど。

 

ひとまず姫の譲歩により着替えは済んだけれど、女官長の態度はまさに取り付く島もないようだった。

 

面倒な女性に目をつけられてしまったかもしれないわ。

祖父母がすでに他界しているため、ライザール様を頂点にこの宮殿はパワーバランスを保っているようだ。

 

王妃を別にすれば後宮を取り仕切る女官長も強い権限をもっている。

 

それにしてもまさか王族がライザール様だけなんて・・

 

かなり珍しいのではないだろうか?

たいていの後宮の物語においては皇帝と様々な身分の妻たちとその子供達で形成されているものだ。だから皇位を巡り勢力争いが起きるんだけど

 

王族がライザール様だけならば、確かに勢力の掌握は大事でしょうね。

 

なぜならもし彼になにかがあればシャナーサ王家が絶えてしまうからだ。

 

そんな状況で王妃が浮ついて隣国の王子と不貞行為に及んだらそれは許されるはずなかった。

 

隣国との戦争、あるいは王妃の子がヴィンス殿下の子であると証明されれば国の存在自体が危うくなりそうだ。

 

まさか・・!それを見越して姫をシャナーサに嫁がせたんじゃ・・

姫がヴィンス殿下の放った密偵だって可能性もあるわ

か弱そうなのも演技かもしれないし・・

これは思っていた以上に深刻な展開になる予感がした。

 

ロマンティックな恋愛物語を楽しみたいって思っただけなのに

・・まいったわ

 

それらを踏まえた上で今夜の披露宴に参加した方が良いだろうか・・?

 

そうね、ひとまずは様子をみましょうか。