おかげで先ほどまであった気まずさは解消されたようだ。

しばしの間お茶を静かに楽しむひと時を共に過ごすことができてよかったわ。

 

うるさい女だと思われたくないし、居心地の良い距離感って大事だと思うの。

 

「またなにか知りたいことがあれば聞くがいい。遠慮は無用だ、

そなたと話すのは楽しいからな。・・・ではまた後ほど会おう」

 

機嫌よくそう言うとライザール様は颯爽と立ち去った。

 

私もお話しできてよかったです。

 

案外公平な方なのかもしれない。

始終こちらの出方を窺う様子だったけど・・

とりあえず気に入っていただけたようだ。

 

私達の様子を窺っていた侍女も安堵したみたい。

 

「良かったですわ・・姫様。王のお気持ちを掴めたようですね、御父上も喜ばれますわ」

 

言外に政略的婚姻であることへの含みはあったが、大事なことだった。

 

『だといいけど・・なかなか気難しい方のようだわ』

 

すると侍女は困ったように畏まった。

 

「姫様が王を散歩に誘われた時は生きた心地がしませんでした」

 

そういえばルーガンでは男女で会話すら成立しないんだったわね。

ルーガンで育った姫がシャナーサに慣れ親しむにはやはり時間が必要かもしれなかった。

 

だけど私はライザール様のこともっと知りたいわ・・

初夜までの三日間は大切に過ごさなければならない。

 

まずは今宵の披露宴が待ち遠しくてならなかった。

披露宴は二日間催される日程だが、恐らくこの国の重鎮がすべて招かれているからだ。

 

基本的に女性は後宮にいるものだが、ライザール様の格別の配慮により顔合わせもかねて大臣らに引き合わされるらしい。

 

これは恐らく名誉なことなのだろう。これまでの慣習に従うなら王妃であっても後宮から出ることもなく大臣らと接点もなかったはずだからだ。

 

王が初婚で滅多にない状況であることや、王妃となるのがルーガン出身の姫であることが彼らの好奇心を煽るのは間違いないだろうことは予想がついた。

 

ほら、セレブってゴシップ好きじゃない?

さもありなんって感じだけど・・あせる

 

盾となりうる王を味方につけることができるかどうかが勝負の分かれ目ね。