とりあえず書斎から調べてみましょう。
いつ戻って来るかわからない以上、長居は禁物だった。
テーブルの引き出しを開けてざっと中を確認してゆくが、国政に関する資料などのようだ。
真面目だってのは演技じゃないのかもしれないわ。
これは・・次世代会議に関する資料のようね。
次世代、つまり近隣諸国の王位継承権を持つ王子たちを招き会議を主催する企画書のようだ。発案者はライザール様だ。
え?ってことはまさかヴィンス殿下もいずれ来る可能性があるってこと・・?
もしこの企画が実現したら一波乱ありそうだ。
姫はこの会議のこと知ってるのかしら・・?
いえ、今私が見たことで知ったかもしれないわ。
慌てて閉じた資料を引き出しへと戻し別の引き出しを開けたが目ぼしいものは見当たらなかった。
思わずため息が出てしまう。
自分の行動がどこまで姫に影響を与えるかはまだわからない以上深追いは禁物だった。
――そろそろ戻った方が良さそうね。
そう思った矢先、ごとりと音がしたかと思うと、窓が開閉する音がした。
え?まさかもう戻って来たの?
慌てて家具の影に身を潜めて窺っていると、やはり窓から先ほどと同じ出で立ちのライザール様が姿を現した。
ここからだとさっきよりはよく見えるわ・・やっぱり盗賊にしか見えないわね
動きやすい服装のせいか精悍さが際立っており、若々しく見えた。
黄金の首飾りをした胸板が強調された目を象った金糸模様が入った黒いジレと、黒いパンツ姿の王は部屋に戻るなり躊躇なくその場で服を脱ぎだした。
え?
どうやら服を着ないで寝るタイプみたいね。目のやり場に困ってしまう展開だわ。
覗き見なんてはしたないけど、やっぱりつい見てしまった。
自信家なのは間違いなさそう・・・
今更ながら初夜の相手を姫に任せるべきかどうか悩んでしまう。
なんだか姫が気の毒な気がしてくるわね。
まとめ髪をほどき手櫛で髪を直した後、ライザール様はそのまま寝台へと向かいごろりと横たわった気配がした。
すぐに寝息が聞こえてくる・・どうやら寝てしまったようだ。