今夜はもう戻らないかもって思ってたから帰って来るとは思わなかったわ

 

なら私もそろそろ戻りましょうか

 

どうか気づかれませんように・・・あせる

なんとか見つからないように王の私室を抜け出した後、手際よく自分の部屋に戻ることができた。

 

今夜のささやかな冒険により密偵レベルが3になったようだ。

レベルアップできたみたい、よかったわ。

 

結局ライザール様がどこに行ってたのかはわからなかったが、あの恰好や振舞から見ても人には知られたくない秘密がありそうだ。

 

私がそれを知るべきなのかどうかだけど・・どうかしら?

 

→ライザール様のことをもっと知りたい

 

店主は教えてくれなかったけど否定もしなかった。

もし仮にだけどライザール様も私のように別の世界から来たのだとしたら先ほどの行動もなんらかのスキルが発動していた可能性が高かった。

 

私より先に来ていたならば熟練者であってもおかしくない。

問題はなんのスキルかだけど・・・??

 

やっぱり盗賊かそれに類するスキルと考えた方が自然だった。

どのみちあっさりとまかれてしまったわけだし、今の私じゃ太刀打ちできないでしょうけど・・諦めないわ。

 

だけど・・もし本当にそうなら、「貴方」はどこまで貴方なのかしら?

 

私と姫のシンクロ率はまだまだ融合とは程遠かったが、行動次第では一気にシンクロ率が上がってしまうかもわからないのだ。

 

ライザール様が同じ条件でゲームに参加したのなら、王妃のバッドエンドを見届けるだけの役割であるのか、それ以外の目的を担っているのかは今後の私の身の振り方にも関わる大事なことだった。

 

だって考えてもみて、確かに姫の肉体とはいえ主導権を得たらそれはリアルと大差ないことだけど・・ライザール様が完全なゲームの中のNPCだとしたら・・

 

自分の人生をかけてまで恋愛したいと思えないかもしれないけどもし私同様に意志を持つ誰かがいるのだとしたら・・

 

それはやはり特別な存在になる可能性はあるかもしれない。

 

だけど仮にそうだとしても、やはりライザール様のことをもっと知らなければわからないことだろう。

 

適度に汗をかいてしまったけど今夜はもう遅いから寝ないと・・・

 

夜着に着替えて寝台に滑りこむとすぐに眠気が訪れた。