シャナーサの未来のためにも健やかに子供達を養育できるシステムの構築は不可欠だった。

 

そういえば王妃になれば力を貸すってアラム様も言ってたわね。

 

あの方の場合、まずは国は国民あってのものだって理解させるところから始めなきゃなさそうだけど・・あせる

 

だけど全ては私が名実ともにライザール様の妻になってからだわ

 

子供たちと別れて共に帰路についた後、ライザール様の部屋に招かれて一緒に過ごした。

 

応接室でミントティをいただきながら彼の持つスキルについて尋ねてみた。

 

もちろんライザール様がNPCじゃないかって勘繰ってたけど、ライザール様はうまくはぐらかしつつもスキルについては答えてくれた。

 

「私のスキルは義賊スキルだ。私利私欲のためには使えないがな」

 

なるほど、なんだかイメージぴったりだわ。

夜陰に乗じて正義を成すのね。

 

孤高の王だからこそ必要なスキルなのだろう。

 

レベルは50ですって。私じゃかなわないわけね。カリスマスキルも高いから子供たちの信用を得ることができたんだわ。

 

今夜も私が尾行していたのは知っていたみたいだけど、あえてそのままにしたんですって。

 

少しは信用くださったのかしら?

あの子たちも昼間はバザールや様々な場所で仕事を掛け持ちしてるそうだから。

 

昼間では見られなかった光景を私に見せたかったのかもしれない。

 

「私もこのままで良いと思っているわけではない。だが私一人でできることは限られている。だが王である以上私がなさなければならないことだ」

 

施政者としてライザール様にも葛藤があるのね。

 

正しいことを成そうとしているライザール様の支えになりたいと思う。

 

王妃の立場ならそれは可能かもしれない。

 

『私は貴方の味方でいたいです』

 

そう言ったら私の真意を確かめるようにライザール様が覗き込んできて、そのまま唇が重なる。

 

今夜二度目のキスは親愛の情を示すものだった。