まさに絶体絶命だったけどついに光明が見えた瞬間が訪れた。

 

ブラインドマンが心酔していた人物の登場がもたらしてくれた。

大学の元教授の関本爽二朗だった。彼もまた犯罪者だった。

 

犯罪者同士の気安さからかブラインドマンに警戒した様子は見受けられない。

 

彼が私の味方となりえる人物かはわからないが、彼には責任を感じて欲しい。

 

元はと言えば彼が作り出した都市伝説が「ブラインドマン」を作り出してしまったのだ。

 

そして生みの親である関本にブラインドマンは執着した。

怪物を忌み嫌っていた関本がブラインドマンと手を組むとは思ってなかったし、いまだに信じられない自分がいた。

 

――なぜ?

 

良くも悪くも関本という男は興味をそそる対象だった。

端的に言えば穏やかな物腰で理知的な彼に惹かれていたといっていい。

 

けれど関本の対象をつぶさに観察するような眼差しが私を幾分

冷静にしていた。

 

それに・・私は刑事だから犯罪者を想うなんて許されるはずがなかった。

 

大人の関係が割り切れるほど達観もしていなかったから・・

 

だからこの気持ちは秘めなければならなかったのに・・

最悪な形で関本の裏切りをまざまざと見せつけられてしまい少なからずショックだった。

 

刑事の私と犯罪者と・・どちらを選ぶのかなんてナンセンスなのかもしれない。

 

理屈でないのが恋心だ。はたして関本にそんな浮ついた感情があるかは愚問だけど・・・

 

でもなんとしてでも関本の関心を引かなければここで終わってしまうだろう

 

女として慈悲を懇願する気は毛頭なかった。

私と関本はそんな不適切な関係ではない。