やがて刹那君は気持ちを切り替えたのか続けた。
「その録音ってやつ聞かせてもらえるか・・?」
お安い御用だったからスマホを操作して再生してみる。
なにか手がかりが得られればいいけど・・
事件じゃないけど刑事としての刹那君なら新しい糸口がつかめるんじゃないかと期待もあった。
言われるまま録音を何度か再生した後刹那君が再び嘆息した。
「・・これはあくまでも俺の主観だがそれでもいいか?」
こちらの様子を窺う気配を感じながらミラー越しに視線を合わせて頷き返すと刹那君が言いにくそうに答えてくれた。
「俺にはお前の声に聞こえるけど・・?」
――え?
予想外の答えにおもわず絶句してしまう。
私達は相棒だから常に同行しているとはいえ、捜査の一環で離れ離れになることはもちろんあるから、そういう時はスマホで連絡を取り合っていた。
つまり刹那君にとっては通話越しの私の声は常に聞きなれたものだ。
ありうるのだろうか・・?そんなこと・・
刹那君の話では骨伝導と関りがあるらしい・・なるほど。
私は改めて再生して声を聞いてみたがやはりピンとこなかったが、畳みかけるように刹那君が言った。
「ま、しゃあねえだろ。録音した声聞くと俺ってこんな声か?って経験あるしな」
――確かに
それは盲点だった。