しばしの沈黙の後スマホから微かな声が聞こえてきた。

 

ワタシハホウジョウサキ・・・・イマ・・アナタノウシロニイルノ・・・

ネエ・・・キコエル?

 

その瞬間背筋に冷たい何かが走りぬけた。

 

刹那君はこの事態に気づいていない!!

私がなんとかしなければ!!

 

ドクンドクンドクン・・・・

 

なんて答えれば・・・

 

→「おかえりなさい」と受け入れる

 

心を落ち着けた私はただ一言発した。

 

――おかえりなさい

 

その瞬間、背後の気配が消え私の脳裏にこれまで喪失していた記憶の波が押し寄せてきた。

 

あのブラインドマン事件で私は多くのものを失った。

大切な仲間・・そして私自身危機的状況になり初めて「恐怖」を実感した事件だった。

 

関本が手を差し伸べてくれてなんとか生還できたが、あまりにも異様な体験すぎたから、私はあの場所に感情の一部、「恐怖」と「欲望」を置いてきてしまったのだ。

 

その残留思念こそ「ドッペルゲンガー」、分身の正体だった。