身分違いなのはわかっていたわ!
でも可能性さえないなんて・・・まさか、知られてるというの?いえ、そんなまさか
それに彼女の暗殺は王の命令だったものっ・・断ることなどできなかったのよ
なぜ王がそんな命令を下されたのかは知りようがなかった。
そうよ!だから私は悪くない!!
不意打ちのように波立つ感情を落ち着けたダーラは軽い酩酊感とともに寝台へと身を投げ出した。一人寝の侘しさにももはや慣れた。
酒は強い方じゃない。軽くめまいを感じながら天井を見据えたダーラの脳裏に勝ち誇るようなレイラの笑顔が見えた気がした。
王が偽物とも知らずに婚姻した偽物の娘が今や王妃だなんてどんな悪夢なのだろう。
それも全てあの方がお許しになったからしもべとして受け入れるしかできなかった。
王も王妃も偽物だなんてまったく・・この国はどうなってしまうの?
とはいえ元々ダーラにとって最優先すべきは真の主だけだったから、もしあの方を失えばこの国がどうなろうと知ったことではないのだが。
9年前父王が亡くなられてお一人になってしまったあの方は、己の力不足に絶望されていた。そしてあろうことかその権利の全てを盗人に譲渡されたのだ。
今その秘密を知るのは私だけ。だからなんとしてもあの方をお守りしなくては・・
いつあの男が心変わりして主に牙をむくやもしれないのだから。
お傍にいられるのは嬉しかったし、あの女を失った後もずっとお傍にいたけれど
あの方は私を女としてではなく密偵としてしか必要とされなかった。
だから私はあの方の願い通りに女官長として偽りの王の補佐をしてきたのに・・
王妃亡きあと宮廷においては最高位だったから甘んじて受け入れたのだ。