考えれば考えるほど歪んだ関係に思えてしまう。

 

私が男達を誘惑したのは店主様のためだった。それが私にできるせめてものことだったからだけど・・ターゲットを愛してしまった時私はひどく混乱した。

 

この想いは・・ライザール様への愛は店主様に対する裏切りなのかって・・

 

だけど簡単には諦めきれなくて葛藤したあげく、ジェミルの暗殺未遂事件が起きてしまって私は自分の願望を思い知った。

 

私を覆っていた欺瞞に気づけたのは、ライザール様と出会って真実の愛を知ったからよ。彼には傷ついて欲しくなかった。

 

あの方は私に居場所を与えてくれた。とても嬉しかったわ・・

 

だからこれからなにがあっても信じようと決めたことに後悔はなかった。

 

自分でも盲目的な愛し方だと思うけれど、全てが偽りの私にとって確かなのはこの想いだけだから・・・少しでも真心が伝わればいい

 

ライザール様を初めて見た瞬間、強く引き付けられた。

まるで運命の恋人にやっと出会えた心地がした。

 

どうしてかしら・・一目惚れなんてありえないと思っていたのにね。

理屈じゃなくて本能であの方を欲して、私は己の欲するところを成しただけ。

 

そうやって愛欲に絡めとられてその温もりの心地よさに微睡んでいた私に何ができただろう?

 

ライザール様の傍に居続けるために多くの物事を見逃してしまった。

 

そんな堂々巡りしかできないのが現状だった。

 

だけど私は密偵だったから真実の究明が気にならないわけじゃなかった。

 

でも一方で躊躇を感じてしまう。

 

それだけ今が幸せだからかもしれない。

それに王妃としての役割を十分に果たしていない負い目もあった。