「ああ・・随分強欲な魂の持ち主だったらしい・・不老不死に憧れていたようだね。私はもとより不老不死だから願いは叶えられたのではないかな。そしていささか私の中で歪みが生じてしまったようだ。君と・・もう一人「シリーン」彼女に対して自分でもどうかしていると思うほどの執着を感じてしまうようだ」

 

――なんだって!!

 

コイツは店主の邪念を受け継いだってのか?

 

だが問い詰めた俺に大蛇はひっそりと微笑んだ。

 

「ああ・・残滓のようなものがね・・だがワインの澱と同じで味わいだと思えばいい。私の本質は変わらないよ。だがそうだね・・君とシリーンをなぜか無性に愛おしく思えてしまうようだ・・・」

 

こいつは俺を主と呼んだ・・それはつまりシャナーサ王家が受け継いできた血に従う荒ぶる影だったということだ。

 

だから俺に執着するのはわかるが、シリーンに対する店主の異様な執着まで受け継いだってのか?

 

いや・・奴は俺の血を舐めたのかもしれない・・・

あの執着が狂おしいほどにシリーンを求める俺の欲望なのだとしたら・・・

 

なんだ・・妙に体が熱い・・激しく鼓動が脈打ち息苦しい・・

 

「安心するがいい・・貴方は我が主・・だから私が御身をお守りしよう」

 

気味悪いくらいに店主そっくりの声で予期せぬことを言われて虫唾が走ったが、俺には受け入れることしかできなかった。

 

「飲むといい・・しばらくは永らえることができるだろう」

 

警戒する俺の前で「店主」は嬉々として実験器具を観察していたが、やがて慣れた手つきで調合した丸薬の入った小瓶を俺に差し出した。