「・・・けて・・・・助け・・・て!!・・おねがい!!」
それは心からの願望。切なる願いだった。
「了解した・・お嬢ちゃん」
そう言って手を差し伸べてくれた貴方の笑顔、大きな掌の温もりが私を守ってくれた。
私はなにも持っていなかったのに・・どう恩を返せばいいのかわからなくて戸惑う私にルトは言った。
「別になにもいらないさ。・・楽しみは後にとっておく質でね。・・いい女になったらまた会おう・・・シリーン」
いい女の意味すらわからなかったけれどルトの強さやしたたかさに憧れた。
ルトは無垢だった私の初恋の人・・
そしてルトにとっても私はかけがえのない運命の女だった。
ルーガンで心の傷を負ってしまった私だけど、それでもルトにとっては残された希望だったなんて・・
「お前が生き永らえてくれて私も救われた」
そう打ち明けてくださったわね。
初恋のルトと別れ、艶やかに花開き大人になった私はヴィンス様に出会い恋に落ちたけれど成就はできなかった。
深い傷をもたらした棘はきっとこれからも抜けない。
でもだからこそ愛がかけがえのないものだって思い知った。
――いえ、学べたのだ。