ドライブ中だけにとりとめのない事柄が次々と浮かんでは消えていく
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そうして暇を紛らわせていたが、カーナビに表示された目的地間近というところで徐々に出始めた霧がいよいよ濃霧となり視界不良になってしまい、車を路肩に止めた刹那君と今後の相談をしていた時のことだった。
猛スピードで通り過ぎていく対向車のヘッドライトだけが辛うじて見えたかと思うと直後に急ブレーキと衝突音が響き渡った。
警官の性で反射的に顔を見合わせた刹那君の表情も霧で覆われていたが、阿吽の呼吸で救命に向かった。
猛スピードだったからか事故車は遥か後方で発見されたが思った以上に事態は深刻だった。
ガードレールを突き破ったのか崖下に辛うじてひっかかった車のテールランプが見えた。
慌てて身を乗り出し目を凝らすが霧に紛れてしまい生死は判別できなかった。
刹那君に救急車の手配を任せて乗車していた人物の安否確認を試みた。
「大丈夫ですか~!!」
声をかけてみるとやがて応答があった。
「ああ・・・大変だ!!妻も私も怪我をしてます・・・早く助けてください!!」
声の様子から成人男性で妻も同乗しているらしい。事故直後で気が動転しているらしくなかなか要領は得なかったが、忍耐強く声をかける。
「今救急車の手配をしてますから。だから動かないで頑張ってください」
車の破損具合によっては引火する可能性が高かったが周囲は崖で逃げるのは難しい。もしバランスが崩れれば落下する危険性があった。