「ね、太郎君ここ誰のお部屋?」

 

仏間ならばご先祖様の位牌もあるからトミさんの可能性が高いが、おばあちゃん子の太郎君がこの部屋で遊んでるのかもしれない。

 

すると太郎君は「おばあちゃん」と笑顔で言った。

 

やはりそうだったか。仏間なんて線香の匂いがするから小さな子は寄り付かない気もしたが、大人しそうな太郎君はここに入り浸っているのかもしれない。

 

伏せられた遺影が誰のものなのか気にかかったものの確かめようと詮索しかけた途端太郎君の小さな手に引かれるまま押し入れに隠れることになった。

 

押し入れに隠れるなんてすぐにわかってしまうじゃないかと思いながらも真っ暗な空間に身を置き不安になってしまった。

 

隣りを見ても太郎君の姿は見えずより不安が生じてしまう。

 

「太郎君・・・大丈夫?」

 

声をかけると太郎君が頷く気配がした。

 

「お姉ちゃん・・・もしかしてこわいの?」

 

思わずドキリとしてしまう。闇に対する怖さは原初のものだと思う。

でも太郎君にとってはここは居心地の良い空間なのだろう。

 

あるいはかくれんぼはこの場所に来たいが為の口実だったのかもしれなかった。

 

押し入れてあせる

 

ふと某ネコ型ロボットが浮かんでしまい苦笑する。

狭くて暗い場所は子宮を連想させるものだ。つまり胎内回帰とも解釈できるから落ち着く者もいるかもしれない。

 

ついそんなことを考えてしまうほど私にとっては少々不安になってしまう場所だった。