たまたま見つけたので見てたんだけど・・奥が深いなあ

私はボキャブラリーが少ないのでうまく伝えられなかったんだけど

 

映画の舞台となるホルガ村の住人を見た時に昆虫のコロニーのようだなってまず思ったんですよね。

 

真社会性というらしい。なるほど。

個の尊重はなく集団の利害が最優先され全員がきっちり役割分担がされている状態。

 

人生を季節に例えており春夏秋冬なわけだけどその村では72になると人生を強制的に自らの意志で終えなければならないあせる

 

その代わり精一杯生きて人生を謳歌しているわけです。

また輪廻転生というとらえ方もキリスト教圏からすれば異教なんだけど

 

日本人も輪廻転生という考え方はあるので非常に共感できる部分もあるのかなって思いました。

 

さらに考察動画ではキャラクターの名前についても言及してましたが

 

私が気になったのはやっぱりダニーの恋人の名前。

 

クリスチャン、つまりキリスト教徒のことですよね。

拡大解釈になるかもしれないし不敬になるかもしれませんが、恋人との別離はつまるところダニー彼女の心の苦しみを拭えなかった神に背信したと解釈もできるわけです。

 

 

そもそもダニーは劇中ではとても不安定な存在として描かれてます。

 

納得するまで対話しないと気が済まない性格であるため恋人とも家族とも上手くいかずに常に不安を抱えています。

 

泣きながら彼氏に電話した、とカウンセラーに激白したり処方薬も服用しており周囲に馴染めずに不和をもたらす異質な存在として描かれています。

 

ダニーを辛うじてつなぎ留めていた家族が他界してしまい悲しい別離を体験した彼女の心は常に不安定なものでした。

その不安に拍車をかけているのが心が離れた恋人の存在です。

 

唯一の絆に依存してより重い存在となってしまったダニー

 

そんな彼女に思いやりを見せたのは共通の友人であるペレでした。

 

家族の話をふられまた動揺してしまったダニーの揺れる心情を置き去り無情にも場面は展開していきます。

 

これから旅に出て楽しむ心地には到底なれないままホルガに到着してしまったダニー。

 

このホルガは狭いコミュニティーでありながら村人たちは皆笑顔で夏至祭を満喫していました。

 

淡々と行われる儀式でまたもや死に直面してしまいカルチャーショックを受ける一行。

 

 

ホルガでの全ての人の営みと生死、価値観、全てが衝撃的なものでした。

 

さらにダニーにとっては信じていた恋人の手痛い裏切りが発覚してしまいます。

 

とはいえ視聴者にとっては「クリスチャン」ってそういう人じゃない?と彼の行動心理に納得しているのですが、ダニーにとってはまさに青天の霹靂でした。

 

しかしついにダニーにも恋人に対する不信感を拭えなくなってしまいます。

 

恋人同士のそれはつまりキリスト教に対する不信でもあるのだと思いました。

 

なぜなら文明社会においてはダニーはカウンセラーにかかり処方薬も服用しておりダメージを負ったままみじめな生き方を余儀なくされた女でしかなかった。

 

ところがホルガに来てからは処方薬も必要なくなり、時折笑顔を見せるようにまで回復していました。

 

文明人にとってはホルガの原始的な価値観や生き様はひたすら恐ろしく苦痛に満ちたものでしかありませんが、ダニーにとって心の傷だった家族の死すらホルガではごく日常のありふれた光景なのです。

 

クリスチャンの顔色を常に窺い処方薬を飲み感情を押し殺していた不健全なダニーも共感能力のすぐれたホルガの人々に受け入れられたことを純粋に喜びを感じます。

 

もちろん全てはペレの描いたシナリオでしたが、ダニーからすればそれはささいなことでしかなかったはずです。

 

失ったものではなく得ることができたものがどれほど価値があるのか彼女は実感したからこそラストの笑顔になったのだと思います。

 

恋人にお仕置きしてすっきりしたからとも思えますが、やはり重要なのは彼女にあった居場所を得ることができたからでしょう。

 

というわけでこの映画は恋愛映画であり同時にダニーが信じていた神と決別して本当の自分になれる場所を見出した話だったのかなと思いました。