【愛染刹那】
なにか甘い夢を見ていた気がする・・・
気が付いた時には俺は相棒に抱きしめられていた。
――刹那くん!無事でよかった!!
呆然としたまま焦点のあわない俺の視線の先にあったのは
必死な形相のアイツの顔だった・・
北條紗希・・それが俺の相棒の名だ
それを皮切りに混乱していた思考が徐々に形をなしていく・・
愛染刹那・・それが俺の名前だ
どうやら俺はしくじっちまったらしい
・・こいつにこんな顔させるなんて
心配かけて悪かったな・・・紗希
だがそこまでだった。
安堵したのも束の間俺はそのまま気絶してしまい、次に目覚めたのは病院のベッドだった。
診断は疲労困憊による気絶だそうだ・・・
今夜一晩検査入院することになった俺は自分の身におきたできごとを思い返すことにしたのだった。