【北條紗希】

 

そうと決まればさっそく私は如月先生に連絡をいれることにした。

根回しって大事よ。オカルト事象が好物な如月先生は即快諾してくれた。

 

「あら紗希ちゃんが頼ってくれるなんて・・・いいわよ、お姉さんが力になってあげるドキドキ

 

―――あせる

 

下心が透けて見えてたって背に腹は代えられなかった。

礼を言い纐纈さんと屋上で別れた私は「とくそう」に戻ってみることにした。

 

やはり刹那君は相変わらずの様子で席に腰かけたままだった。

不安を押し隠したまま新美さんを見ると、なんともいえない表情をしていた。

 

私の顔を見るや否やこちらへと足早にやってきた新美さんが小声でまくしたてる。

 

『おい・・いったいどうなってるんだ!北條・・・あいつは大丈夫なのか?』

 

犬猿の仲とはいえ似た者同士なだけにやはり覇気のない刹那君が心配なのだろう。事態が深刻だという認識は一致していた。

 

だから安心させるように頷いた私もまた刹那君を見た。

 

本当に具合が悪そうだし反応も薄い。今は事件が起きてなくてよかった。

 

でなければ見過ごしていたかもしれない。

 

私はかつて所属していたS県C村の分署で事件の捜査中に相棒を失ってしまったことがあった。

 

――もう二度とあんな思いはしたくない!!