【北條紗希】
実はひとつ気になっていることがある。
なにかというと・・・
→佐久葉子の体の在りか
これがずっとひっかかっていたことだった。
霊感のある如月先生が霊視した以上、佐久葉子が亡くなっているのは間違いない。
けれどそれは明るみになっていないことでもある。
佐久葉子がいつ亡くなったのか、なぜ亡くなったのかはわからない。
病院で会った時彼女はまだ存命だったのか、あの時点ですでに亡くなっていたのかもわからなかった。
あくまでも仮定の話となってしまうがもしそうならば、彼女が亡くなってるという前提だとして佐久葉子の体はまだ佐久家にあるのではないか?
しかし捜査権限がない以上、警察としては仮定の話では動けないし葉子の招きに応じて屋敷に立ち入り捜査するしかない。
刹那君への執着を断ち、さらに屋敷のどこかにあるだろう佐久葉子の体の発見が目的だった。
ならばやはりここは刹那君の協力を仰ぐべきだろう。
理性ではそうするしかないのだとわかっていても、こんな危うい状態の彼をみすみす危険にさらすことに躊躇ってしまう。