さて・・もう寝るか
帰宅後うっかりそのままにしていた沙希のハンカチを見つけた真綾とひと悶着あったが、じいやがなんとか場を収めてくれて助かった。
口紅の付いたハンカチを洗わせる気か!と逆上した真綾からなんとか取り戻した。
相棒と一線を越えそうになっちまったことを忘れないための戒めとしてあのハンカチはそのままとっておこうと思ったからだ。
誤解のないように言っておくがべ・・別にキ、キスの思い出にじゃないぜ!
いわば戦利品のようなものだ。
あいつがキスを返した時は思わず動揺しちまったがな・・
どうやらからかわれちまったらしい
あの時の沙希の表情はどこか茶目っ気があってこちらの反応をうかがっている様子だったからだ。
動画で見た妖艶さは影も形もなかったことに安堵する・・
やはりあれはまったくの別人だったのだろう・・
それに考えてみれば出会いがないのはあいつもだった。
お互い難儀な仕事についちまったな相棒・・・
家庭を持つことなど夢のまた夢だろう・・
寝つきはいい方なので布団に入ったあとすぐに睡魔がやってきた。
しかし・・それからが悪夢だったのだ。