王はいまだに独身だと聞くけれどこの国の有力者は複数の妻をもっているものだ。


ラムル様も例外ではなかった。

だからハレムの女に成りすまし女の武器を使いラムル様に近づき密書を奪う手はずだ。もちろん深い関係になるつもりはない。

私には奥の手があるもの
いざとなったら眠らせてしまえばいい。

謎の人物との密会を終えたラムル様がやってきたのは夜も深まったころだった。


顔も知らない方だけどそうとわかったのはここがプライベートエリアだからよ。

しかしそこでまたしても予想外の出来事が起きてしまった。
白装束の謎の人物がどこからともなく現れたかと思うとラムル様に襲い掛かったのだ。

まさか暗殺!?

おそらく同業者だろうけど手段を問わずに密書を奪うつもりなのだろう。

どうしよう!

ハレムだけに周囲に人気はなく主の危機に気づいたのは私だけのようだ。

覚悟を決めた私は襲撃者の前に飛び出して、暗殺者の刃を短剣で受けていた。

白装束でベールをしており顔は見えなかったが手練れであることはすぐにわかった。

細身だけど男だけに力は強い・・

けれど密偵として修羅場をくぐってきた自負はあったから、負けるわけにはいかなかった。