もちろんこれは任務とは違うことはわかっていた。でも見過ごすことができなかった。

 

絶体絶命かに思えたけどそこで暗殺者が突然間合いを取ったかと思うと身をひるがえして走り去った。

 

一体何事?

 

しかし考え込む間はないようだ。ラムル様は大貴族だけに暗殺騒ぎなど日常茶飯事なのか取り乱した様子もない。

 

これがラムル様?なかなか色男じゃない

 

「助かったといいたいところだがこれはどういう状況だ。そなた何者だ」

 

やっぱりそうなるわよね・・

なんにせよこれはまずい状況だわ。

当初の目的を完遂するには無理があるでしょ。

 

侍女が突然短剣で立ち回りをして暗殺者を撃退したのだから言い訳のしようもなかった。

 

ここは追及される前に撤退するしかなさそうだわ。

とっておきの煙幕玉を使ってその場を後にするしかなかった。

 

DASH!

 

そんなことがあっても踊り子としての仕事もあって気落ちしてる暇もなかった。

 

踊り子はもう一つの私の顔だけど隠れ蓑なわけじゃない。

 

いつだって踊りには真剣に向き合ってきたし、踊り子として誇りも持っている。

 

だから真摯な気持ちで魂を込めて踊っているわ。

 

よし!気持ちは切り替えていきましょう!

 

踊って発散するわよ!